劇場公開日 2015年6月6日

「クライムサスペンスを装った男同士の友情映画」予告犯 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0クライムサスペンスを装った男同士の友情映画

2020年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ざっくりとしたあらすじだけ知ってる状態で鑑賞。

結論としては、めちゃくちゃ面白かったです。
途中まではてっきり最近の映画にありがちなSNS社会へのアンチテーゼ作品かと思って鑑賞していましたがそうではなく、現代版「雨ニモ負ケズ」とも呼ぶべき他人のために文字通り命を懸ける男を描いた作品でした。

ネットに犯行予告動画を配信する新聞紙を被った謎の男と、警視庁サイバー犯罪対策課の女性刑事の戦いを描いた作品です。警察を翻弄し、次々と犯罪を実行する新聞紙男の正体とは?そしてその目的とは?

ラストの展開と犯人たちの犯行動機には賛否両論あるようですが、私は好きです。
特に犯行動機に対しては「この動機のためにここまでやる必要はなかった」という意見も散見されます。しかし映画内でゲイツ(奥田)が語っているように、「誰かのためなら何でもできる」というのがこの作品の一番強いメッセージです。そのメッセージを明確にするためには「この動機のためにここまでやる必要があった」と私は考えています。

宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」も誰かのために一生懸命に生きることの素晴らしさを説いていますが、「予告犯」にも同じメッセージが込められているように感じました。

といぼ:レビューが長い人