劇場公開日 2014年11月8日

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「100歳の爆弾じいさん、マイペースに往く」100歳の華麗なる冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5100歳の爆弾じいさん、マイペースに往く

2018年12月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

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誕生日に老人ホームを脱走した100歳のおじいちゃん、アラン。
ヨーロッパ・コメディの勝手なイメージでほのぼの、しみじみ、ハートフル系かと思いきや、なかなかのハチャメチャコメディ。

ひょんな事から大金の入ったケースを手に入れ、それを狙うギャングに追われ、警察にも行方を追われ…。
そんな事とは知らず、本人は出会った人と珍道中。
周りがてんやわんや大騒ぎに対して、マイペースぶりが笑える。
決してボケてる訳ではありません!

この現代パートも面白いが、過去パートが好き。
道中アランは、歩んできた人生を思い出す…。
普通ならしみじみとした回想になるが、このじいさんに平凡な人生ナシ、文字通り“ブッ飛んだ”人生。
幼い頃から爆弾に目覚め、爆弾の専門家に。
数々の歴史的事件や出来事、多くの歴史的人物と会ってきた。
アノ人やコノ人…。アランが会ってきた人物は冗談抜きにスゲー面々。
しかしアランはそれらを前にしても全く臆する事無く、フレンドリーに酒を飲み交わす。
そんなアランが唯一お手上げだったのが、収容所で出会ったアノ人物。人類の歴史に残る偉大な発明家であるのに、とんでもねーポンコツぶり。
当然フィクションだろうけど、面白可笑しく絡ませている。

それにしてもこのじいさん、昔から結構人を殺してる(笑)
幼い頃のあるエピソードなんて、笑擊!
100歳になった今も。
2回か3回かそれ以上、刑務所に入ってても全然おかしくないくらいだけど、ここら辺ブラック・コメディ風で、何よりアランの飄々とした感じを見てると何だか憎めない。
ただ、日本人としてちと複雑だったのが、原爆開発に貢献したエピソード。人類史上最も最悪で愚かな発明に関わった苦悩や後悔も欲しかった。

あるじいさんのこぢんまりとした話に留まるかと思いきや、思わぬデカいスケール(?)に。
伊達に100歳生きてきた訳じゃない!
これまでのブッ飛び人生に比べれば、100歳のこの珍道中なんて余裕余裕。
冥土の土産にまだまだ何かやらかしそうだね。

近大