劇場公開日 2014年11月1日

「でも好き」ニンフォマニアック Vol.2 Wataru Kumazawaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0でも好き

2020年3月4日
iPhoneアプリから投稿

舞台は至ってシンプルで、倒れた女が老人に拾われて身の上話をするだけ。いわゆるストーリーで揺さぶる映画ではなく、会話や情景、描写や関係性、皮肉やメタファーで揺さぶるタイプの映画と感じます。
部屋の中のものをヒントに話を進める部分や、時折混ざる老人のキリスト的観点が、大雑把な表現ながら性というテーマを皮肉に彩っていると感じます。

ただ合わせて4時間はレビューするには長すぎますね…

性を扱う映画でこうも不快感のないものは、数少ないと思います。アクション映画さながらの爽快感さえある。映画の色が章ごとに変化していくのは、一貫性がないと捉えられることもあるかもしれませんが、テーマは一貫しているし、その混沌がそれはそれでニンフォらしくて私は好きでした。

いい意味で予想できる鬱展開が続き、ラストも予想できる方は多いでしょう。ですが、予想できた方はそうあって欲しいと考えている方が多くラストとしては相応しいと感じられると思います。

メッセージ性がとか、結局こういう映画だとか、そんなのはどうでもいいと思える作品でした。そういう視点でこの映画を見ると、なんか馬鹿馬鹿しくなります。

でも、私は好きです。

くま。