劇場公開日 2014年12月20日

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「投げやりだった人生をボクシングで輝かせるオンナ」百円の恋 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0投げやりだった人生をボクシングで輝かせるオンナ

2022年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

親から殴られたことも、男から殴られたこともない。
なのに私はボクシング映画が大好きだ。
この「百円の恋」はボクシングに魅せられた女の、ちょっと風変わりな
ボクシング映画です。
「ロッキー」シリーズ、
ロッキーの宿敵アポロの息子の、
「クリード」の2作品。
嗚咽が込み上げてどうしようもなかった、
「ミリオンダラー・ベイビー」
邦画にも名作が多い。
菅田将暉とヤン・イクチュンの、
「あゝ荒野」前後編。
私のマイベストである、森山未來の代表作、
「アンダードッグ」前後編。
監督は、
「百円の恋」の武正晴監督なのかー、知らなかった。
松山ケンイチと東出昌大の、
「ブルー」もいい、
ブルーもボクサーの性(さが)を描いてて、
殆ど勝てないのにボクサーを諦めない男・松山ケンイチと、
才能はあるけれど、いよいよチャンプに上り詰めようという時、
失明の危機が訪れる東出昌大。
一様にボクシング馬鹿揃いだ。

子供を殴ったことも、夫を殴ったこともない。
なのに何故かボクシングシーンは血が騒ぐ。

無気力、だらしなさ、不潔、自堕落、やや鈍感!
そんな感じの32歳。
斎藤一子(安藤サクラ)
だらしなく緩んだ体型、なぜか尻や腕をいつも掻いている・・・
シラミでも飼っているのか?
そんな一子が出戻りの妹と喧嘩して、生まれて初めて一人暮らしをはじめる。
「百円生活」というコンビニの深夜店員になるのだ。
店に百円バナナを大量に買いにくるボクサーのバナナマン(新井浩文)に、
試合のチケットを貰い。
ここで突然一子の人生の歯車が動き出す。
一子が生まれて初めて「やる気」を出したんだ。
バナナマンのボロ負けの引退試合をみた一子は、
→殴り合って、終わったら、肩を叩き合うのが、→なんかイイ、
のだそうだ。
好きになった男もボクサー。
新井浩文も得体の知れない男で、
善人なのか?悪人なのか?
判断は付かないが、駒を振れば落ちて行く予感!
そんな男。

「百円生活」の店員も掃き溜め感満載で、どう転んでもいい人ばかり。
そんな一子だって「パンチを喰らわしたくもなるさ」

やはり試合のシーンは迫力があった。

「一発ぐらい当てて見ろ!!」
…………そんなに簡単に当たるもんじゃ、ない……………
4ラウンドだけど3ラウンドとられたら、即負け!!
もう一度言うけれど、
ボクシングのパンチの応酬は見応えあった。

ストップモーションとか撮影技術での特殊な仕掛けはは少なかった、と思う。
本気でカラダとカラダのぶつかり合いだった。

安藤サクラの存在を知った映画だった。
サクラの好演はたまたまでも偶然でもなく、
満を持して「当然過ぎる」実力者の登場だった。
それほど美しくもなく、若くもなく、巨乳でもなく・・・
しかし安藤サクラほどの役者根性を持った知的な女優は日本には
ホントに少ない。
それが寂しい。
(女優は金持ちと結婚するための腰掛けか!)
(相手役の得体の知れない男・新井浩文がなんと刑務所の中・・・
・・・とは!)

安藤サクラ、
父親の奥田瑛二、
夫の柄本佑、
義弟の柄本時生、
義父の柄本明、
実姉の安藤桃子監督。
華麗なる一族の台頭が嬉しい。

琥珀糖
rin*さんのコメント
2022年11月28日

琥珀糖さん。
こちらこそ、ありがとうございます!
『百円の恋』は一人映画鑑賞が趣味になり始めた頃、たまたまテアトル新宿で観た作品。
それまでは、なんと言うか大衆的な作品しか観ていなかったので、安藤サクラさんや新井浩文さんの演技力に衝撃を受けました。
胸に突き刺さるストーリーにも衝撃を受けました。
観終わってから涙が止まらなかったのを覚えています。

rin*
iwaozさんのコメント
2022年11月15日

「ブルー」「クリード」良かったですよね!ジェイク・ギレンホールの「サウスポー」もダメ男っぷりが良かったですよ!f^_^;

iwaoz
CBさんのコメント
2022年11月11日

> 安藤サクラの存在を知った映画だった
俺も、です。一気に「安心して観られる女優」入りでした!

そして琥珀糖さん、なんとボクシング好きだったんですね。自分も好きです。「ああ、荒野」はラストが合いませんでしたが(元が演劇だからしょうがないのですが)、「アンダードッグ」や、洋画「負け犬の美学」はジャストミートでした!!

CB