劇場公開日 2014年12月27日

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「ド、ド、ド、ド、ドライヤーくらい漫画家の先生が持ってるだろーに・・・」海月姫 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ド、ド、ド、ド、ドライヤーくらい漫画家の先生が持ってるだろーに・・・

2020年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 金沢市には海月寺という曹洞宗のお寺があります。“くらげでら”ではなく“かいげつじ”と読むのですが、てっきりクラゲに縁がある寺かと思っていたら、全く関係なく(海には近い)、金沢三文豪の一人である室生犀星が下宿していたという場所でもあり、銭屋五兵衛の女中が主人の処刑を弔うために出家したとか云々という謂れのある名刹でもあります。

 クラゲブームも起こっているほど、厄介者ではあるが神秘的なクラゲの姿。そのクラゲに魅了された能年玲奈演ずる月海がオタク女子の集まる天水館で楽しく過ごしている物語。男子とは喋ったこともないほど縁がないのですが、たまたまペットショップで知り合った美女が実は女装した蔵之介(菅田将暉)という男だった。これが恋に発展するというありきたりな話じゃなく、オタク女子の魅力を盛り込みながら、デベロッパーによる都市再開発に徹底抗戦する展開なのです。

 いざというとき、団結力の強さを発揮するオタク女子。引きこもっていたって関係ない。心地よい居住空間が奪われるとなったら底力を見せてくれるのです。蔵之介の兄(童貞)でもあり、二世議員間近の長谷川博己もいいし、運転手のもこみちも魅力十分。アフロヘアの池脇千鶴は声でわかったけど、篠原ともえはわかんなかった。

 深夜だというのに大笑いできたし、彼女たち(菅田含む)が本来の輝きを見せてくれる展開に思わず共感。のんちゃんの可愛さにもまいってしまった・・・もっと増えてほしいオタク映画。

kossy