劇場公開日 2015年2月28日

  • 予告編を見る

「実話感動物としてはもう一声欲しかったですが、青春映画的な楽しみは十分味わえる一本」サムライフ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0実話感動物としてはもう一声欲しかったですが、青春映画的な楽しみは十分味わえる一本

2016年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

実話感動物として見るには正直どこか物足りなさを感じずにはいられない映画でしたけど、熱い青春映画として見る分にはまあまずまず楽しめる内容ではあったかなと。
と言うか、ある意味学校を作ろうと言う熱い思い、情熱ぐらいしか見どころが無かったような(苦笑)
でも、何もない状態から学校設立にまで漕ぎ着けたその熱意だけはホント素晴らしかったですね。
彼が設立した侍学園はHPを見ると今でもたくさんの方が通っているようで、本当に大きな夢を実現したんだなと思うと、ジワっと感動が押し寄せてきます。

ただ、それを映画本編の方で感動させて欲しかったんですけどねぇ・・・。
何故学校に行きたくても行けない子供達の為に学校を作りたいと思ったのか、そこをもう少し詳しく描いて欲しかったなぁ。
子供の頃からの夢、恩師との約束・・・それらについて少しだけ触れられてはいましたが、何かいまいち伝わってこなかったんですよね。
HPを見る限り実際の侍学園は一般の学校とは違い、弱者に寄り添い且つ個人の意思を尊重する本当に素晴らしい理念の下運営されているようですから、その辺ももっと劇中で詳しく描いて欲しかったです。

それと、三浦貴大が演じた主人公ナガオカの魅力がもう一つ伝わってこなかったような。
学校へ行きたくても行けない子供達との交流を見ても、何か上辺だけって感じで、心に響くまではいかないんですよね。
元教え子4人がこれだけ慕ってくれて学校設立に尽力してくれたところを見ると、実際はかなり魅力的な先生だと思うのですが、この映画だけではそこまで魅力的には思えませんでした。
思いのほか打たれ弱いし・・・(まあ人間らしいと言えばらしいのかな)
ただ、思いだけでなく行動に移せる実行力に関しては本当に素晴らしいなと思いましたけどね、思いだけでは何も始まりませんから。

まあ思いのほかノリの軽い映画でしたので、その辺で好みは相当分かれそうですが、軽いサークル的なノリもクサイ台詞も個人的には嫌いじゃないので、これはこれで意外と楽しかったです。
しかし実際はどうだったのでしょうかね、さすがにバーと本だけで学校設立はいくらなんでも・・・。
でも、最後はなんだかんだで感動しました。
元教え子役の4人では、さすがはブレーク中の松岡茉優が、圧倒的な存在感を見せてましたね。

スペランカー