劇場公開日 2017年2月3日

「皮肉で残酷なジャパニメーション」虐殺器官 Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0皮肉で残酷なジャパニメーション

2020年11月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

原作はニワカ理解だけど既読。
ストーリーや展開は原作どうりだけど、原作では列車だったけど映画ではヘリのように舞台や世界観が若干変わっていた。
多分迫力ある魅せ方や作風を創り上げるためだと思うし、実際一人称視点のカメラワークはスリリングだし、原作に勝るとも劣らない作風になっていた。ただ唯一変えて欲しくなかったのは原作だと列車での襲撃シーン。映画だとヘリでの襲撃に変わっていて、その戦闘の結果も同じなんだけど原作にあった胸糞度が映画には全くなかった。あのシーンは原作の中で1番印象強いシーンなのでちょっと残念。
ただやっぱり人間の暴力を浮き彫りにしたストーリーは深く考えさせられる。
多分自分だったらジョン・ポールと同じく自国を守るために貧困地域を犠牲にすると思う。

不倫中に妻子が核の犠牲になる。
同じ人を好きになった人同士で争う。
自国の平和のために他国で虐殺を起こす。
憎むべき相手の意思を継ぐ。
あまりにも皮肉で残酷なジャパニメーションでした。
つくづく思うけど、本当に伊藤計劃の頭の中はどうなってんだ!
発想からテーマ、世界観全てが世界レベル!素人には難しくて読みにくいけど…

Pegasus