イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密のレビュー・感想・評価
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まさに前例のない偉業
職場の若手社員のお薦めということで鑑賞。
確かにすごい実話だ。感動というか感服だ。
でも、主人公はこれだけの偉業を成し遂げたのだから、もっと幸せになって欲しかった…と言うのが正直な感想。切なすぎる。
ラストのテロップが刺さる。「今我々はそれを~」
過去は知っておかないとね、と思う辛い作品
人間性が優先されない場で生きることは人にとってどれだけ重荷になるのだろう。感覚的に正しいと思うことは選ぶべきではなく、勝つことを優先しなければならない環境で、最善を尽くさなければならないことの重さと、そしてそれが公平な評価を受けることができない虚しさとを思うと辛くなる。こんな状況に誰しもいるべきではないのに、しかし彼らのおかげで戦争の終結が早まったのなら、結果論では正しかったのだろうか。大きな過ちである戦争を早く終わらせることは正しいのだけど、それでも、個人が背負うには苦しい決断の連続だったように感じた。
人間性が優先されない場というのは同性愛が罪として罰せられホルモン治療を余儀なくされることや、パブリックスクールで行われる暴力もそうだ。人間は暴力に満足感を得るのだろうか。それはとても不幸なことにしか思えないが。
個性とも言える人間性の全否定、治療により自分を失っていく焦燥感、評価されない功績、孤独。彼が自分を保つためには才能が必要だっただろうにそれを治療によって鈍らされ、しかも孤独であったのなら、生きる価値がないと感じてしまうのかもしれない。人が幸せに生きるためには何が必要なんだろうと考えさせられた。辛い作品だった。
解読してハッピーならまだしも、その後の作業の心身を病ませるような内容がまた、これを人がしたのかという歴史的事実?に暗澹たる気持ちにさせられた。でも知らないより知っておかないとね。
挑むのは、世界最強の暗号。
ナチスの用いた解読不可能とされた暗号「エニグマ」
エニグマの打倒のために集められた有識者の1人チューリングの半生をえがく。
時に誰も想像しないような人物が、誰にも想像できないような偉業を成し遂げる。
天涯孤独にも思える天才にも生涯において2人の理解者がいた。
学年期に想いを寄せたクリストファーと、一度は婚約し偉業を共に成し遂げたジョーン。
エニグマの解読に挑む機械に死別したクリストファーの名を与えた。ジョーンとの別れを選んだ後も、彼はただひたすらクリストファーの成長のために生きた。
一見機械的に見える言動、当時は犯罪だった同性愛など、
曖昧な境界に苦しめられたチューリング。
イミテーションゲームとは、審判が質問し対象者の答えから機械か人間かを当てるというもの。
別の方法で考えるということは考えていないことと同義か、他者との違いに対する理解を提起するようにもとれる。
『時として誰も想像しない様な人物が想像できない偉業を成し遂げる』 ...
『時として誰も想像しない様な人物が想像できない偉業を成し遂げる』
名誉回復の話だから、現実はタイトで融通のきかない人なのだろうが、秀才ではなく、まさに天才なのだろうなと思った。
今の世界は、この人が作った機械に翻弄されていると思う。良きにつけ悪しきにつけである。
AIとかコンピュータとかネットとか、そんな事ばかりに経済も政治も文化も左右されている。立派なコンピュータを搭載したロケットを使って、宇宙へ行く事よりも、早く戦争を止めた方が無難だと思うけどね。
追伸
まぁ、文化なんて、戦争があるから、発展してきたと言う事かなぁ。宇宙ロケットだって、ミサイルだからね。下○ロケットじゃなく、○町ミサイルって思うべき。だから、今は既にディストピアな世界なのかもしれない。
チューリング教授はマシーンでもモンスターでもない人間だ!
本作は天才数学者チューリング教授の活躍と葛藤を描く。
第二次世界大戦の暗号解読チーム時代を主軸に、不遇の学生時代、そして死の間際の3つの時代を劇中で往来するストーリー構成となっている。
秘密を抱え、秘密を背負わされた天才数学者の人生は不遇を極める。
そんな中でも敵国の暗号を解読するマシーンを作り、戦争を終結させた功績はでかい。
そのマシーンは後世のコンピュータや人工知能の先駆け的なものとなるわけだが。
そんな不遇な彼を支えた2人の理解者がでてくる。(もう1人加えてもいい気がするが・・・)
1人はチューリングに匹敵する数学の天才で社交性も兼ね備えているジョーン。
もう1人は暗号解読マシーンの名前にもなっている学生時代の初恋の相手クリストファー。
彼らがいなければ彼のひらめきや偉業は達成できなかっただろう。
「思いがけない人間が思いも寄らない偉業を成し遂げる。」
現代におかれても普通じゃない人はとかく勘違いされたり、「暴力」の的となる。
そうやって私たちを平穏に導いてきた才能やいわゆるギフテッドたちを私たちはどれだけ潰してきただろうか?
普通じゃないことは罪じゃない。
そもそも普通と言われている人たちが自分の中にある「当たり前」を疑わないことに天才たちの生きづらさがあるのではないか?
戦争によってハイテクが進む
良い映画でした。
戦争の裏舞台で人知れず汗を流した人たちがいた。
インターネット、携帯、パソコン、あらゆるものが戦争によってハイテクを遂げ、後の文明の利器となる。
戦争とは恐ろしいものだ。
失うものが多い。
映画の中に同性愛がテーマとしてあるが、個人の趣味嗜好に言及はしないが、ここ最近の映画には違和感を感じる。極端に同性愛を強調し、同性愛を推奨するようなメッセージ性は不要だと思う。少数派が虐げられるのは酷である。もちろん人権は守られるべき。しかし、性的マイノリティをわざわざ、人類の王道にしようとしているのは異常だ。同性愛がメジャーとなった場合、人類は混乱する。人口減、性病拡大。
頼む!良い映画をつくるのは結構だが、同性愛推進のプロパガンダで映画を使わないでほしい。多様性、ダイバシティという聞こえの良い言葉を使って大衆を陥れないでほしい。
そのうち、『同性愛はしょうがない』が発展していき
『ロリコンはしょうがない』みたいになっていく。
ありえないだろ。歪んだ性癖が堂々と許容されてしまう。
表現の自由はあるが、どうか健全な映画が普及されることを切に願う。
歴史の影で
コンピューターの父であるチューリング博士が、こんな重い仕事を請け負っていたとは知らなかった。
彼の貢献でヒトラー率いるドイツ軍の暗号が解読可能になり、ざっと1400万人の人命救助につながったことが、50年間秘密にされていたのもすごいが、MI6が首相チャーチルをうっすら裏切っていたという点に一番驚いた。さすがは英国。
アスペ気味の博士が、気を遣わないで付き合える女性にせっかく出会えたのに、それまでの自分の性向から普通の結婚生活を送れないかもしれないという不安もあったとはいえ、国家レベルの諜報戦から彼女を守るため、わざと嫌われるように振る舞うシーンは不憫だった。
でも、もっと辛かったのは、教授が同性愛で検挙されて取り調べを受けていて、そこでこの経緯を語っていたのだということが観ている私にも明らかになり、しかも、現場で全てを聴いた善良そうな刑事が、教授のことを機械ではなくて人間だって言ってくれなかったことだ。普通の人には理解を超える秘密ばかりだったから、判断出来なかったのだろうけれど。
この物語の組み立て自体も秘密めいていて、史実も併せて、見応えがあった。
淡々と
解読不可能と言われてきたドイツの暗号解読に今でいうコンピューターを使う。その発想は天才ならでは。
解読したらやった〜、万歳ではなくてその先の先までも考えられる。やはり天才だ
ホモなんだけど彼女のことが好きで、と言う複雑な心境をもう少し表現しても良かったんじゃないかな
勿体ない!
物語の中心となるチューリングのエニグマ対策のプロセスはとても痛快でテンポよく進んで面白いのだが、同時にチューリングの性的嗜好性も同レベルにテーマとして進行するので、テーマが分散してどうも纏まりに欠ける感が気になった。作り手としてはどっちも訴えたかったのだろうが、結果鑑賞後のカタルシスが半減する。エニグマに勝利した解放感とチューリングの同性愛的嗜好により彼が失意のうちに自殺する不合理さへのモヤモヤがぶつかり、何とも後味の悪い映画になってしまっている。同性愛にフォーカスするならチューリングの関係した別の人物を主人公か語り部にすべきであった。実に惜しい作りとなった・・・
解読不能の言われたドイツ暗号機エニグマ。 暗号解読こそが戦争終結へ...
解読不能の言われたドイツ暗号機エニグマ。
暗号解読こそが戦争終結への近道だったそうだが、解読成功したエニグマでも現在まで国家機密とされてきた。
解読したアラン・チューリング。現代のコンピュータへとつながる大きな功績がありながら、当時では普通とはとられない彼の心のあり方、才能、青年時代の想いとエニグマとともに生涯孤独だった彼の気持ちを考えるととても切ない。
そんな彼に彼女がかけた言葉「あなたが普通じゃないから、世界はこんなにも素晴らしい」には救われる。
戦争に対してだけではなく、人間としてもいろいろ考えさせられる良い映画でした。
天才数学者アラン・チューリングの大きな業績と生きてる時の報われのなさ
モルテン・ティルドゥム監督(ノルウェー出身、ヘッドハンター等)による2014年製作の英米合作映画。
ドイツ軍の暗号エニグマ解読で有名な数学者アラン・チューリングの生涯を、エニグマ解読成功の部分に描いている。いかにも天才という身なりや体裁にこだわらない姿、同僚の女性研究者との婚約、同性愛歴と随分と映画的なキャラクターで創作と思ったが、調べてみると何と事実らしく驚かされた。
第二次世界大戦勝利の立役者で有りながら、生きている間には全く祖国英国に評価されなかった悲劇が痛ましい。戦後の時点でなお、英国では同性愛が犯罪で、強制的に女性ホルモン注射が打たれていたという事実にもビックリ。国家的反省を踏まえ。こうして映画で彼を主役に映画が作られること自体には、敬意を覚えた。
チューリング演じたカンバーバッチの演技が迫真的であった。また婚約者演じたキーラ・ナイトレーのチューリングの深い理解に基づく大きな愛情表現も、事実にも基づいてるらしおが、感動的であった。
映画では、チャーチル首相がチューリングの訴えに基づき彼をチームの長に据えた問おうことだが、これは事実だったのか?また、事実だとすると、チャーチルはチューリングのなにを評価したのだろうか?
英国の隠れた英雄で有りながら、淡々とチューリングのキャラクターを、事実ベースで描いている点に、大いなる好感を覚えた
製作ノラ・グロスマン 、イド・オストロフスキー、テディ・シュワルツマン、製作総指揮グレアム・ムーア。
原作アンドリュー・ホッジス「Alan Turing: The Enigma」、脚本グレアム・ムーア(本作で第87回アカデミー脚色賞)。
撮影オスカル・ファウラ(ジュラシック・ワールド炎の王国等)、美術マリア・ジャーコビク、衣装サミー・シェルドン・ディファー、編集ウィリアム・ゴールデンバーグ、音楽アレクサンドル・デプラ、音楽監修リンジー・フェローズ。
ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ等)、キーラ・ナイトレイ(アンナ・カレーニナ等)、マシュー・グードヒュー・アレグザンダー。
機械か人間か
私は数学は苦手だが、クロスワード・パズルは大好きで、
この作品ではドイツ軍の暗号エニグマを解読するのに
クロスワード・パズルを早解きする能力が必要と
されているという所に興味を惹かれた
暗号を解くヒント(「クリストファー」に無駄な
計算をさせない為の)は予想がついた
パズルなどの問題には作り手の癖があるものなので
そのことにもっと早く気づいても良さそうだと
思ったが、現実はこんなものかもしれない
(早解きだとわかりにくいかもしれないが、
問題解いていて、出題者の癖やルールに気づくと楽しい)
「機械か人間か」というセリフはドラマのテーマでもあるが
早解きと癖を読む事の違いも暗示されているようだと思った
ドラマ・パートは実話ベースといってもよく出来すぎていて
脚色多いと感じたが、作品としてよくまとまっていて
面白かった
ジョーンの考え方が現実的でしっかりしていて好感度大
類型的なヒロインでないのが良かった
同性愛者には厳しかったイギリスとはいえ
アランの結末は悲しいな
全体に、品の良い丁寧な作りが好ましかった
広義では戦争映画ですね
アメリカ資本ですが、マンマ英国映画です。
英国は軍人とか政治家とか王室が題材になるとアメリカ映画にない格調が高いですね。
ホモの側面に注目する人も多いようですが、そっち方面に関心なくても単純にWW2諜報戦映画としてサスペンスが十分です。
業績に隠された苦悩と共傷感覚が苦しい。
内容は実話に基づく物語。第二次世界大戦の裏で活躍し隠された天才の苦悩と葛藤の物話。印象に残った言葉は『クリストファー!!』余程小さい頃の思い出が一生を引き摺る程の傷として残ったのは観ていて辛かった。境遇や立場では、エニグマ解読が終わりでは無く始まりだったり、陰謀論的な国際関係には当たり前だが映画として楽しい。正にアランにとっては人生そのものがイミテーションゲーム!疑似戦争であり自分すら客観的に見えた。主人公アランは完璧な合理的だからこそ皆に理解されにくく、完璧を希望しすぎて共傷性が強過ぎて禁断の果実林檎と青酸カリで自殺を選ばなければならなかったのだろう。時代性質もあるが、それを理解した上で余分な説明をしない所が観ていて号泣ものだった。非常に面白い映画でした。
変わり者
天才と言われる人は
人と違った考え方思考力がある
人からは変わりものと
数字に強くクロスワードパズルを解くように
デジタルコンピューターを作製した
戦争の最中ドイツの暗号解読するための機械を
ほぼ一人で完成させる
今の時代のコンピューター(パソコン)の原型
…凄いですね
アランのお陰で便利な世の中になりました
でも…
アラン事態はしあわせになれなかった
同性愛者だったから当時は罪を課せられ
不遇な時代を生きた人
やりたい事は出来ましたが苦悩の日々が…
何処か腑に落ちないところがありますね
もっと早く見れば良かったなあ。
一言「いやー、たまげたわ!」
難解不能なドイツ暗号機・エニグマを、解読しようとする主人公の伝記。
ざっくりいうとこれ。
興味深かったのは、「クロスワードパズルが得意な」人間が。
解読作業に関わったこと。外国の人、好きですよねえ。
戦時中(またチャーチルが出てきた)の話だけど。
ふむふむと内容に惹かれました。
ただ作業が秘密ゆえ、仲間にスパイがいるかもだとか。
解読マシンの費用は高額なため、軍上層部に理解してもらえないとか。
大丈夫なのか?とドキドキ感満載。
解読できて、やったー!だけじゃないのが。
伝記映画になってました。
天才は時として孤高。そのヒヤッとする冷たさを、カンバーバッチ最高。
彼だからできた役に思えました。
エンドロールで記されている、主人公のその後。
驚きでした。彼がいなかったら、SNSなんてまた夢だったかも。
見て良かった1作でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「時として誰も想像しなかった人物が。
想像しない事実を成し遂げる」
戦争の終結のためにナチスの暗号解読に尽力する天才数学者。 暗号を解...
戦争の終結のためにナチスの暗号解読に尽力する天才数学者。
暗号を解読してめでたしめでたしではなく、その後も解読したことをナチスに悟られないようにしながら戦争終結に導いていかなければならない。
困難な任務と、数学者が次第に人間的になっていくところは見応えがあった。
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