劇場公開日 2015年6月27日

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「脚本が主題なのに、脚本があんまりでした。」天の茶助 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0脚本が主題なのに、脚本があんまりでした。

2015年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

寝られる

劇場で観た
予告編が面白そうだったので、
トライしました。
原作未読です。
年間かなりの映画を観ますが、
SABU監督の作品は
観る機会がありませんでした。

天界で脚本家たちが、
地上に住む人々の人生の
シナリオを書いているという、
奇想天外な設定。
交通事故で亡くなる女の子を助けるために、
地上へ向かう主人公「茶助」のお話です。

映画はツジツマがすべて無視されています。
女の子や辛い人々を、
茶助が下界で助けていくのがさっぱり分からない。
単純に天界でシナリオを、
書き換えればいいじゃないかと(苦笑)
そもそもこの設定に、無理があったようですね。

前半のモノローグは
まぁ観れましたが、
中盤から転がる石のように
ストーリーがむちゃくちゃになります。
着地点もないまま、
御都合主義のストーリーが疾走。
人生が変っていくように変化させているのなら、
カタルシスをもって描いてもらいたかったです。
何でもありで自由にやるなら、
もはやシナリオではないですね。

意味のないバイオレンス描写に、
ゲロの多用に、
少しジャマな沖縄文化の表現もよく分かりません。
顔が白塗りの唐突な警官や
突然主人公がやくざになる展開には、
もはや中盤からは着いていけなかったです。

いったい
監督は何がやりたかったのでしょう?
脚本も書いているみたいだけど、
はちゃめちゃなストーリーで
評価されてきた人なのかな。

ぶち壊すなら、
石井聰亙監督のように
超絶に暴走して欲しいし、
脚本で唸らせるなら、
内田けんじ監督のような
天才肌を魅せて欲しい。
こういう類いはどっちつかずなら、
陳腐に見えて悲しくなりますね。

これもベルリン国際映画祭に
出しているみたいですか。
先日観た海街diaryのカンヌ出品といい、
邦画の恥だから今後検討して欲しい。

寺島進さんの力技な演技がちょっと不愉快でした。
エイプリルフールも好きじゃなかったし、
これから出演作は外そうかな。

伊勢谷さんは、
最近良作に恵まれないみたいですね。
存在感のある大好きな役者さんだから、
頑張って欲しいです。

久々に劇場で観た
松山ケンイチくんが素晴らしかっただけに、
とっても残念な時間でした。

今宵は辛口ですみません。

年間100本を劇場で観るシネオ