劇場公開日 2014年3月8日

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「物凄く不快なんだけど、どこか納得できる部分もある映画」パズル(2014) スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0物凄く不快なんだけど、どこか納得できる部分もある映画

2016年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

序盤から物凄く不快な気分にはさせられつつも、何だかんだで見入ってしまうような、他の作品にはない独特な空気感が漂っていた映画でしたね。
とにかく残忍で容赦のない映画でしたけど、それでもどこか儚く美しいとさえ思わされるような、ちょっぴりファンタジックな雰囲気がとても印象的でした。
しかしグロイともまた違うような、残酷描写があまりにも直球すぎてビックリ・・・ただやり過ぎの感も、直球過ぎるが故に目を背けたくなるような感情に駆られることもなく、まあとにかく不思議な感覚に陥ってしまった映画でしたよ。
逆にホラーファンにはこれだと物足りないと言われてしまいそう、そして普通の映画ファンからはとにかく不快と言われてしまいそう(苦笑)

それにしても、湯浅を演じた野村周平のサイコなキャラが不気味な怖さを醸し出していて何か恐ろしかったなぁ。
オーラのないどこにでもいそうな少年の雰囲気が漂っていましたから、尚更何考えているか分からないリアルさも感じられて、その後の行動にただただビックリでした。
突っ込みどころとしては、どうやってそんな準備をしたのか、さすがに無理がありすぎでしょ。
それと全体的に仕掛けがチープ感漂いすぎて、正直冷める部分はありましたね。
でも野村周平と八木さおりお母さんの醸し出す雰囲気は良かったです!

結局湯浅が夏帆演じる中村さんに拘る理由は何だったのか、映画を見ただけではもう一つ伝わってこなかったのはちょっと残念でした。
純愛?同情?自分の生きる価値を見出した?終わってみると壊れ方が何だか切なかったなぁ。
しかし夏帆はまた物凄い演技見せてくれましたねぇ。
昔の清純派だった夏帆はどこへ、最近の壊れっぷりはホント凄い、今後もいろんな顔を見せてくれそうで楽しみですね、個人的には美しかったけど制服姿に若干の違和感を感じました(さすがに女子高生には見えなかったかな)

まあしかし冒頭で中村さんがあんなことになったのは何故なのか、それを少しづつプレイバックしながら見せていく手法はなかなか見応えがありましたね。
さすがに佐々木心音先生は可哀相だったけど、他に関してはやりすぎでも何でもこうし返すのは心の中で少し納得、でもやっぱり佐々木心音先生は・・・。
まあとにかく不快、でも何故か見入ってしまう魅力に、内藤監督の今後への期待が高まります。

スペランカー