リトル・フォレスト 夏・秋のレビュー・感想・評価
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好きな人の好きな作品ということで鑑賞。 面白い映画ではないが、心地...
好きな人の好きな作品ということで鑑賞。
面白い映画ではないが、心地よい映画ではあった。
YouTubeを見ているようなほのぼのとした田舎の日常を描いた作品。
料理がどれも美味しそうだった。
食べるまでの過程
原作者の五十嵐大介の名前は、Eテレの漫勉という番組で知った。絵がうまいが、驚いたことに、ボールペン1本で描いていた。人それぞれ癖や好みがあるだろうが、かなり珍しい。
映画は大きな事件もなく、ひなびた農村でひとり田畑を耕し、収穫した野菜で料理をする、若い女性いち子の姿を淡々と描く。生きることは食べることであり、食べるために働く。作物を育て、自然の実りをちょうだいし、手間と時間をかけて、調理する。そのシンプルな円環を、夏から秋まで、里山の美しい風景とともに写し出す。
太陽が出ている間は、ひたすら働く。水まき、雑草取り、虫取り。日が暮れたら本を読んで過ごす。家の外では、夜の生き物が動き回り、時々物音がする。虫くらいならかわいいが、クマとかだったら…うう怖い。この環境に一人きりって、町育ちには恐ろしいかも。田舎暮らしはヤワではできないと痛感する。
おいしそうなものがたくさん。トマト、甘酒、焼き立てパン、グミの酸っぱいジャム、手作りウスターソース、イワナの塩焼き、くるみごはん、アケビ、栗の渋皮煮…。収穫から調理の工程まで丁寧に映し出され、すごく食べたくなった。
苦労は多そうだけど、いち子が不幸ということはない。幸せそうでもない。ふらりと家を出て行ってしまった母のこと、自分の将来のこと、考えなければいけないことから、目をそらすために動いている感じ。汗水垂らして働けばお腹がすくし、モリモリ食べてよく眠れる。他人に気を使わなくて済むし、自分のペースで暮らせる。そうやって問題を見ないでいるのは、幼なじみのキッコやユウタには見抜かれていて、チクリと指摘されてしまう。確かに逃げてる部分はあるかもしれないが、私はいち子のこと、すごいと思う。チェーンソーで木を切ったり、薪割ったり、重いもの運んだり、みんな自分でやってる。ここで生まれ育ったのはあるけど、根性ないとできないよ。
橋本愛の生真面目そうな、ちょっと硬い感じが、作品に合っていた。美しい風景を背景に、どこか所在なげな表情が、とても自然だった。自転車こいでる時は楽しそうで、かわいかった。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
しまった、夜中に観るんじゃなかった (笑)。
お腹が空きました。
しかも、マネして何か作りたくなる。
丁寧に、時間と手間暇かけて作られる素朴な、でも、体が、心が、魂が欲するような食事。
★ ★ ★
ブログのような映画。
物語はあるのだろうけど、大きくは動かない。
自然に圧倒される。
料理はシンプルで美味しそう。
再現しようとするとかなり手のかかっているものばかりなので、即物的に欲求を満たそうとするとダイエットの敵だが、真似しようとすると意外とダイエット効果あるかも。
森のイスキアの初音さんを思い出しました。
五感を使って感じる映画です。
確固たる主張はあるのだけれど、
ムードムービー・イメージムービー
イージーリスニングのような。
映像がきれい。
音楽も、こちらの生活を邪魔しない。
基本ナレーションで進むので、テンションの起伏も激しくない。
へー、そうなんだというトリビア的面白さもありますが、
生活の根幹を描いているのに、生活感がない。
不思議な映画です。
おすすめ
夏秋冬春の4部作で各話にきちんとエンドロールもついてる。1話1時間くらいで見やすい。
ストーリーは田舎の自給自足エピソードの集合体という感じ。時間軸を前後したり回想が混ざったりするので、見る順番はそんなに重要ではないけど一応「春」だけは最後に見た方がいいかな。
橋本愛が中心で友人の松岡茉優、三浦貴大や近所の人たちと絡みながら、色んなものを食べたり収穫したりのまったり映画。チラリと顔を出す橋本愛の過去も映画を単調にさせない上手い演出。
興味ある人はまず1話見てみて、気に入ったら4話全部見てみてください。
何十回も見た大好きな映画
映画に出てくるもの全てが私にとってリアル。
一瞬一瞬が心に刺さって毎回泣いてしまう。
いち子の覚悟ができないところが今の自分にそっくり。
亮太の言うサラリーマンの世界を表すような言葉。
田舎で生きていく覚悟の深さ。厳しさ。
それでも自分で納得できるまでやりきるいち子が
すごくカッコよく見えたし、羨ましく思えた。
都会は色んなもので溢れているから、自分と向き合うことが辛くても現実逃避できるものが沢山あるけれど、田舎は何もない分自分と向き合う時間が否が応でもできてしまう。
この作品は田舎を題材にしたことで、生きるとはどんなことかをシンプルに、時に鋭く映し出せているのかなと感じた。
がむしゃらに生きてきた20代。
私はこれからどう生きたいんだろう。
今の都会の暮らしでどこか満たされないのはなんでだろう。心から楽しめないのはなんでなんだろう。
その答えっていつか見つかるんだろうか。
夏・秋と約1時間くらいずつのショートムービー。 ストーリーを観ると...
夏・秋と約1時間くらいずつのショートムービー。
ストーリーを観るというよりは田舎の暮らしを観るって感じ。
田舎暮らしに憧れる人はこういう映画っていいんだろうなぁ。
まあまあの田舎で育った自分にとっては、あけびやくるみ、山菜や栗とかよく見てたし食べたりしてたっけ。
いいなぁというよりはこんなのもあったあった、懐かしいって感じだった。
ウスターソースやホールトマトとかイチから作っていてすごいなぁと関心したしおもしろかった。ほうれん草のすじを取るのはためになったかな。
継承
ROBOT制作らしく不思議なCGで始まり、その後は究極の田舎レシピ映画となる。夏でも湿気を逃すためにストーブを焚くというのがまず驚き。汗をかいているいち子(橋本愛)がとてもセクシー。農業ってセクシーなんだなぁ~などと思いつつ、ストーリーよりも映像によって日本の四季と料理の美味しさをいかに伝えることがテーマなのかとも思った。
パンも最初から作るし、酒だって造る。元カレとのグミの思い出。そして酸っぱいグミジャムまで。そんな中でもやっぱり調理しないトマトが美味しそうに映る。見た感じでは結構カロリーは高めのような気もした。
「夏」パートから「冬」パートへ。ストーリーは素っ気ないものだが、いち子の心情はよく伝わってくる。都会から逃げてきた。一方で幼なじみのユウ太も都会から故郷の小森に帰ってきたもののそれは「自分に向き合うため」だったこと。考え方もしっかりしているけど、都会の人間の胡散臭さに嫌気がさしたためだと想像できる。
アケビ、クルミ、クリの渋皮煮など、秋の味覚は充実した自然豊かな小森。食べるために料理し続けるだけじゃなく、母親の料理を越えたい一心な部分も見せてくれる。
ちょっとショックなのはアイガモ農法で貴重なペットのように育てた鴨たち。でもやっぱり食うんだね・・・
田舎暮らしを見下して、都会で働いてきて、そこで行き詰まった。 そん...
田舎暮らしを見下して、都会で働いてきて、そこで行き詰まった。
そんな時にこの映画を見た。
見下していた?
合わないと決めつけて、無理して違う世界で勝負をかけていただけだったのかな。
自然と共に生きる。
自然の多い小森。
稲づくりをメインに野菜、森の恵みを食している。みんな手作業。殺虫剤も使わず無農薬。
森の自然が素晴らしい。
クルミののおにぎり🍙あけび、栗の渋皮煮がたべた~い。趣味の園芸の様な説明がおもしろい。
自給自足してイワナや鴨をさばいて料理する。生きるには食事が大切でその為にたくさんの野菜を育てて食べる。自然と共に生きる生活。憧れるけど~。難しい。
リトルフォレスト韓国版を先に見たけどまた違った印象です。
韓国版は料理がおしゃれな感じをうけた。そして食べ方がうまそうな食べ方だった。
日本版は猫で😸韓国版は犬🐶だった。
生きているということ
自然の命に触れて、癒されるし生命力を感じます。
生きるということの本質が描かれていて、木々が奏でる音や虫の鳴き声、風の音の中、種をまき、育て、その命に見合うように丁寧に心を込めて料理していただくということこそが、生きるということなんだと、作品を通して改めて感じさせられました。
買ったものを食べる生活では決して感じられないようなことを、この物語の登場人物たちは感じて生きてるのかなぁ。
魅せる田舎生活
映画のなかで「いち子」は自然体で描かれていますが、じっさい仙人のようなスキルと達観が「作者」にはあるように感じられました。
ものを欲しがらず、孤独や不便を厭わず、お料理の食材を育てたり獲ったりする段階から楽しめるのに加え、農業や自然に対する知識が高い。もはや仙人です。
多くの都市生活者が田舎暮らしに憧れを持ちますが、現実は過酷なものだと思います。また、田舎とて、いやむしろ田舎だからこそ、枯れた穏やかな隣人ばかりとも限りません。
でもこの映画は作って食べるに焦点があたっているので、田舎暮らしへの憧れを増幅させる四季の佳景とスローライフが展開していきます。こんなことは私には無理だろうと解りつつ、やってみたいなと思わせる魅力を持っています。ロケーションも村の人々も確かな現実味がありました。
また人と人のエピソードが断片的な挿入にもかかわらず、有機的に生きていました。すなわち、いち子とユウ太、キッコ、福子との関係性が、部分的なのに、妙な説得力を持っていました。
母の失踪は悲劇ですが、あっさり描き、かつ「いち子」の芯の強さを裏付ける説明にもなっていました。
発見は桐島かれんでした。ミカバンドの頃しか知らず、セレブの印象があったのですが、台所でうつむいている姿は堂に入っていました。女優としては殆ど見たことがないので、雰囲気持っている佇まいに驚きました。
自我をおさえ孤独を友とし、ずっと片親で娘を育ててきた哀感が、美しくやつれた桐島かれんの表情にあらわれていた、と思います。そこに現実の母親の実績がかいま見えたのです。もっと女優やればいいのに、と思ったのでした。
自然とともに生きる。その大変さと素晴らしさを教えてくれる!
いち子は、東北の山村「小森」に暮らす。
ほぼ自給自足の生活。
夏は、暑い中、田んぼの草取りや
トマトなどの野菜づくりに勤しむ。
秋は、稲刈り、栗やクルミを拾ったりしながら、
自然の恩恵に預かる。
自ら育てたお米や野菜を使って作る料理の数々…。
甘酒、パン、ウスタソース、ジャムなど…
普段、何気なく食べているが、
一から作ったことはない。
手間暇かけて、丁寧に生きる。
そんな生活がしてみたくなった。
いかにも現代っ子の橋本愛が
首にタオルを巻き、長靴を履いて、
草取りする様…
そのギャップがまたイイね!
地球と呼吸している
空気の香り、風の音、星の瞬き、大地の芳しい匂いまで感じられるお話と映像。ものすごく癒されました。スイッチ一つで物事が動き出す現代、こんな丁寧な暮らしがおくれたら幸せだなぁ。自分で野菜を作り料理する。そんな生活は大変だけど充実してる。山で採れた物を料理する事は季節の流れを強く感じる事でしょう。田舎に住みたくなりました☆
飽食の時代
都市部に住んでサラリーマンをしていたとしてもどんなにお金を稼いでいたとしても、日々の食べ物は森や山村や海から頂いているものです。自然からの恵みを頂いて暮らすことは、先人からずっと受け継がれてきたことですが、今はそんな当たり前の事も忘れてしまったかのように感じます。大量に生産し大量に屠殺し大量に棄てる時代。季節に合わせて淡々と料理をする主人公を観ていると、飽食の時代と言われる現代は異常な時代なのかもしれないと思いました。
出てくる料理がシンプルで栄養があり美味しそうでした。これを観るだけでも不思議と疲れが取れます。パン、ウスターソース、フキのトロロ、くるみおにぎり、甘酒、岩魚の南蛮漬け、全部作ってみたいです。
眠れぬ夜の寝落ちムービー、あるいは?
「眠れぬ夜の寝落ちムービー」という映画として褒めてるのか貶しているのか分からない感想が散見されたので気になって観てみました。
夏秋春冬と季節が移り変わりとともに、東北の小森―リトルフォレスト―で暮らす人々を丁寧に描写するドキュメント風映画でした。
特に食事シーンが「丁寧」で、『この世界の片隅に』を彷彿とさせます。
他方で、丁寧さに伴う苦労が脱臭化されているようにも思い、実際田舎で暮らしたらこうはいくまいというシーンが散見されました。
(そもそも松岡茉優が親友としている田舎とそうでない田舎は大変な違いがある)
苦労の脱臭化の代わりに描かれるのは主人公の葛藤です。この田舎でいること、この田舎にいることの焦燥感・母親の行方。
田舎で暮らすにつれ、かつて母親に憧れ手が届かなかったことが自分にもできるようになってきて、母親に近づいてきて。そこで田舎から離れた母親と自分は何が違うのか。
自然と丁寧な暮らしの裏でゆっくりと、自分と向き合うことのできる映画です。
真っ向勝負
橋本愛も作品も、真っ向勝負してるな~って感じた。凝った演出や演技なし。(ほぼ)脚本なし。ひたすら山深い自然のなか、自然体で植える。抜く。捥ぐ。刈る。剥く。混ぜる。濾す。捌く。そして目いっぱい頬張って食む。
橋本愛はいい意味で田舎や地方がよく似合う。泥と汗と虫にまみれここで育ったんだ感を放ちながらも清潔感があり観てて爽やか。岩手の田畑や空の映像も美麗で目と心の保養になりました。
全63件中、1~20件目を表示