劇場公開日 2015年2月7日

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「音を作る、奏でる、歌を歌う歓びに溢れた作品。」はじまりのうた Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5音を作る、奏でる、歌を歌う歓びに溢れた作品。

2015年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

兎にも角にも演奏場面が楽しい。
NYの街角を舞台に寄せ集めメンバーが作り上げる音楽。
グレタを演じるキーラ・ナイトレイの歌声も良く、紡がれる音が声が気持ちを高揚させる。
技術的な巧さは分からないが溢れる創造の、表現の歓びは十二分に伝わる。
モノ作りを題材の一つとした作品として、作り手側が意図した試みは大成功していると思います。

また登場人物達の交流、関係性の変化も楽しい。
失意の底にいたグレタとダンが半ば想い出作りのために始めたレコーディング。
周りの人間の支援を改めて意識しつつレコーディングは進む。
レコーディングの回を重ねるに従い結束が強くなり互いに互いを気遣うように。
チーム感が強くなっている、その過程は観ていて嬉しくなる過程でした。

話の展開も良かった。
自身が抱える問題に真剣に向き合った末に出された結論の絶妙さ。
決して易きに流れず、これまでの展開を踏まえた帰着に。
一抹の矛盾した気持ちを抱えつつもスッと肚落ちする。
結論が出される過程も含めて丁寧で誠実な作りだと感じました。

音を作る、奏でる、歌を歌う歓びに溢れた本作。

音楽の楽しさとは裏腹に歌詞は恨み節。
そんなアベコベ、違和感も楽しい作品でした。
観れば楽しいのだから、皆、観ればいい。
オススメです。

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Opportunity Cost