劇場公開日 2014年12月27日

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「美貌の双子姉妹に翻弄される」真夜中の五分前 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0美貌の双子姉妹に翻弄される

2018年12月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

寝られる

恋愛映画の名手と言われる行定勲監督だが、手掛けた恋愛映画は個人的にあまり好みではない。
大ヒットした『セカチュー』も一部では好評だった『ナラタージュ』も。
本作も然り。

上海で時計の修理工を学ぶ青年リョウは、ある日プールで、清楚な女性ルオランに心惹かれる。
それは唐突の出会いとなり、ルオランから一卵性の妹で女優をしているルーメイへの誕生日プレゼント探しを頼まれる。
美しい双子に魅了されつつ、リョウは姉ルオランとの関係が発展していく。
そんな時、姉妹が旅行先で事故に遭う。
二人の内一人の命が助かったが、それは姉か、妹か…?

日中合作で、ラブストーリーはミステリー要素を加味。
とにかく、美しい双子姉妹に見てるこっちも終始翻弄される。
最初に出会ったのは姉ルオランで、恋人関係になったのもルオランで、でも命が助かったのは妹ルーメイで…って事には一応なってるけど、時々違うのでは?とさえ思ってくる。
と言うのも、この姉妹、時折本当に入れ替わったりもする。
ルオランと思って会ってたのが実はルーメイで、ルーメイと思って会ってたのが実はルオランで…っていう時もあった訳。
しかし、幾ら一卵性の双子とは言え、中身は別個の人間。違いもある。
性格はまるで別。姉ルオランは控え目だが、妹ルーメイは自由奔放。
なので、事故以降性格が急に穏やかになったのは気になるに充分だし、“5分前の時計”や姉妹の複雑な関係や過去など、意味深さや伏線は所々に。

単なる世界観や感情に酔ってるだけのようなラブストーリーかと思ったら、ミステリーがスパイス効いていた。
三浦春馬は中国語を奮闘し、一人二役のリウ・シーシーの美貌には魅せられる。
だけどやはり、良かったかと問われたら…。
作風であるのは分かるが、まあとにかく全編通して淡々とメリハリ無く、ズバリ言ってしまうと、退屈…。
睡魔との激しい戦いになる。
それに、難解。所々予想は出来たりもするけど、勿論明確に明かされたりする事は無く、うやむやのまま。
余韻は残るっちゃあ残るが、凝りも残る。

美しい双子姉妹が誘う、ミステリアスで哀しく切ない愛の世界に取り残された感じ。
とりあえず、美人双子姉妹を好きになったら、慎重にならねば。

近大