「オッドのファンになってしまった。」オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0オッドのファンになってしまった。

2019年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

萌える

なのに、もう見られない。
 イェルチン氏がもういない。
 惜しい才能。ご冥福をお祈り申し上げますとともに、心よりお悔やみ申し上げます。
 新兵鍛錬所を卒業して、次のステージで訓練を受けているのかな?

主人公オッドの心の内側の語りで進んでいく物語。
 そういうスタイルってビミョ~なのが多いけど、この作品では成功。

ビミョ~にイケているんだか(本当はハンサムなんだけどさえない表情しているので、ウォールフラワー組?と言いたくなる)、という風体の主人公で、ちょっとオタクっぽく、クラメ、しかもフリーター。
 だけどそれは仮の姿って言うのではなく、語りのビミョ~な間やユーモアで、諦観しているのに、熱い語りでどんどん引っ張っていく。

しかも彼の理解者が軽妙な間で入ってきて…。
ティムリンさんやデフォー氏がよい。
イェルチン氏も含めて表情が良い。

 単なるサスペンスやエログロ話、オカルトにしていない。
 そうやって人間描いて惹きつけておいてあのラスト。一気にじわ~っときてしまいました。やられた!!そりゃないよ。

ボダッハはゴキブリのようで気持ち悪かったし、映画の中でも気持ち悪い映像もあったり(この役者よくぞここまでやったなという虫ネタもあり)、そんな映像が出てくるのでは?とドキドキさせられた場面もありましたが、すぐに画面が切り替わる。
 (ホラー期待した人には物足りないかも)

あくまで人間ドラマ、テロを食い止めようとするストーリー・サスペンスが中心。
 謎解きは時間の都合上、ご都合主義系的なところも見受けられるが、一転二転三転と手に汗握る。
 とにかくテンポがいい。ドキドキさせるところと、ハラハラさせるところ、怖がらせるところに、小学生男子が好きそうなネタや、恋人の心のつながり、デフォー氏の軽い笑いを挟んでくる。

結末がわかっていても、繰り返し見たくなる。
拾いものでした。

とみいじょん