「言葉の通じない不幸」バービー クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉の通じない不幸
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冒頭から不穏な空気が流れ、
スティーブ親子の訪韓の理由は明かされないまま。
障害者の父と妹の世話を甲斐甲斐しくするスニョンと、
ひたすら貧乏を恨むスンジャの対比が痛々しい。
その中で、スニョンとバービーの交流はホッとする。
でもお互い言葉が通じない。これがラストまで響く。
次第に明かされる真実。バービーはスニョンに謝る。
「病弱な妹の笑顔を見たことが無いの、ソーリー」
真実を知ったバービーの苦悩に涙。
一方のスニョンは妹と別れることが辛く、
バービーの「ソーリー」は、ただ妹を連れて行くことだけに
謝っているのだと解釈。
妹スンジャの最後のお風呂に涙するスニョンに涙。
更にスンジャはアメリカに行ける事に狂喜乱舞。
貯めた小銭で最後の家族写真を撮ろうとする、
小生意気だったけど最後は無垢なスンジャに涙。
そもそもこのアメリカ行きの話を持ってきた叔父も、
金儲けのためとは言え身内を売る事に、最後は苦悶し涙を堪える。
買いに来たスティーブの動機もまた完全な悪では無い。
こんな後味の悪い話なのに悪役はいないという矛盾がスゴイ。
この内容でほぼ100分というのもスゴイ。
強いて言えば、スティーブ親子のソウルの由縁とか、
スニョンの母の話とかも掘って欲しかったけど、
尺が伸びちゃうだろうね。
キムセロンはやっぱりスゴイわ。笑顔一発で持ってく。
スンジャもセロンの実の妹って、姉を睨む目が迫力ありすぎ。
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