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4.5まるでドキュメンタリー

2023年10月21日
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悲しい

幸せ

現キネマミュージアム(リニューアル前のウィークエンドキネマM)にて鑑賞。

劇場未公開作ではあるが、廣木監督が安藤桃子監督と交流があり、イベント時に見る機会を得た。地方のミニシアターであるのに、立ち見が出るほどの盛況であった。全裸監督で世界中を沸かせた武正晴監督でさえ立ち見して鑑賞していたのもミニシアターならではで、非常に楽しい上映会であった。

数々の名作や娯楽作、かつてはピンク映画を送り出してきた監督でありながら、この作品だけはインディーズ感があり新鮮な驚きがあった。菜葉菜と安藤玉恵が映画のクオリティを上げてくれていた。彼女達は、心の中でドロドロした思いを抱えていながらも周りの人には優しくできる女性を演じることができる天才だと改めて感じた。

まだ役者としてピュアな頃の安藤サクラ、柄本佑、高良健吾をそのままスクリーンに映し出しており、彼らの飛躍の一歩手前の未完の美しさが映し出されている点においても、今となっては貴重な作品だと思う。

作品テーマであろう若者の迷いや悲しさにおおいに共感した。作り込まれてないのが、とても心地よい作品であった。

鑑賞した百人足らずの我々一般人は、やや興奮気味に廣木監督に率直な感想を正直に述べ合ったのだが、監督の鑑賞後の第一声は「こんなものを見せてごめんなさいね」であった。作り手の思う出来不出来と、客の感覚との違いも映画の面白さだと感じた。

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