劇場公開日 2014年4月19日

「どうしても観たかった作品」そこのみにて光輝く harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5どうしても観たかった作品

2014年5月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

映画のチラシを見た時点で気になっていた本作品。
しかしながら観賞条件がタイトでタイミングが合わず悔しい思いだったが、やっと観ることが出来た。
あまりハードルを上げたくなかったが、予告編やレビューを見るにつけますます期待値は上がる一方だった。
しかしそんなハードルは関係ない、期待通りの作品だった。

まず画面から漂う空気感、演者が放つ現実味に引き込まれ、まるで自分も彼らの側で彼らのことを見守っているかのような気持ちになった。

自分では背負い切れないかもしれない重荷を背負い続け、いつ終わるかも分からない閉塞感…。どうしようもない虚無感…。負の連鎖…。
しかし彼らは逃げずにそこに踏みとどまる。そこのみのそこは底なのかもしれない。
しかし彼らは見つけるのだ。そんな底の世界で…。
幸せや希望を見つけるのに上も底も無い。
そもそも幸せかどうかなんて他人が決めることではない。
他人の目には不幸に写ろうとも当人たちが幸せを感じたなら、それは間違いなく幸せなのだ。
どんなに酷い環境だろうと、どんなにキツい状況だろうと何とかしようと生きていれば、輝ける一瞬や希望の光が射す日が来るかも知れない。
その日のために今の苦労はや悩みは必要なのかも知れないのだ。
達夫も千夏も拓児も悪い人間では無い。私は好きだ。
なぜなら彼らは不器用ながら一生懸命受け止めようとしているからだ。
潰されそうになりながらも必死に生きているからだ。
それは自覚と責任感がなければ出来ることではない。
誰だって幸せになっていいんだし、幸せになる権利がある。
希望の光を浴びて歩き出せ!そんな思いでいっぱいになった。

とても良い映画でした。駐車場代と合わせて3000円ほど使ったけど、それだけの価値がある映画だったので満足です。

呉監督はじめ作り手の皆さん。演者さん。関係者の皆さん、素晴らしい作品をありがとうございました。

harukita