劇場公開日 2013年12月13日

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「【”いかなる贋作の中にも必ず本物は潜む・・・。” 若きシルヴィア・フークスの美しさに”やられた”作品】」鑑定士と顔のない依頼人 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”いかなる贋作の中にも必ず本物は潜む・・・。” 若きシルヴィア・フークスの美しさに”やられた”作品】

2020年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

悲しい

怖い

知的

 <鑑賞当時の衝撃と、再鑑賞した冷静な感想を織り混ぜて記載しています。>

 ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は常に手袋をつけているほどの潔癖症で”本物の女性”には興味がない(と言うか、生理的に苦手)、少し変わり者だが、美術鑑定士としては一流の男。

 当然、女性経験はなく、一番大切にしているのは膨大な数の”一流の美しき女性の肖像画”である。

 相方のビリー(ドナルド・サザーランド)と画策して、自身のオークションで”一流の美しき女性の肖像画”を安い値段で競り落としたりしているが、態度は慇懃で尊大である。
 時折、”したり顔”で口にする言葉は、”いかなる贋作の中にも必ず本物は潜む・・。”である・・。
 -ジェフリー・ラッシュが、良い味を出している・・。ー

 そのヴァージルに、クレア・ベッソン(後半まで、一切顔を出さないが・・シルヴィア・フークス)という広大なヴィラに住むという女性から屋敷内の装飾品、家具、絵画一式を売り出したいので、鑑定して欲しいと依頼が入り・・・。

 ・クレアは15歳以降、一切外に出ていない。その理由は14歳の時、プラハの”天文時計”のある広場が気に入り、近くの”ナイトアンドデイ”という店に入った後、有る出来事が起きたから・・。
 管理人からは、”広場恐怖症”と説明される・・。

 -深まる謎に引き込まれて行く・・。-

 ・クレアのヴィラに足を運んだヴァージルが床で見つけた”古びた歯車”。
知り合いの修理屋ロバートに見せると、18世紀の機械人形制作者として有名な人物のモノと判明。以降、クレアの屋敷に足を運ぶたびに、”何故か”床に置いてある”歯車”を持ち帰り、ロバートに渡す。徐々に機械人形を作っていくロバート。
 -面白い展開に更に引き込まれる。-

 そして、ある日、クレアの美しき姿を覗き見したヴァージルが取った行動とは・・。

 -が、いきなり姿を現すクレアと、急速に親密になっていくクレアとヴァージルの姿に少し”違和感”を覚え始め、ヴァージルが唐突に暴漢に襲われる辺りから、
 ん?脚本が粗いぞ、ジュゼッペ・トルナトーレ監督と思い始めてしまう・・、が観賞継続・・・ー

 そして・・・・・・・・・・。

<クレアのヴィラの向かいにあるバーに”常に”居る、小人症の女性の”言葉”と”名前”に驚愕し、慇懃で尊大だったヴァージルが、すっかり衰え、”ナイトアンドデイ”で注文を取りに来たウエイターに言った言葉・・・。

 いやあ、面白かったですよ。ジュゼッペ・トルナトーレ監督。

 この後の作品「ある天文学者の恋」も面白かったが、それ以降作品を発表していない・・・。
 新作を待望しています。>

<2013年12月 劇場にて鑑賞>

<2020年4月30日 別媒体にて再鑑賞
 今作はこれ位、間を空けないとね・・。>

NOBU
bionさんのコメント
2020年5月29日

暴漢に襲われるくだりで、安っぽいラブロマンスで終わるのか、つまんないな。なんて、すっかり騙されました。
男って都合のいいように解釈しちゃうから、結局騙されてしまいますね。気をつけないと。

bion