劇場公開日 2014年3月21日

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LEGO(R) ムービー : インタビュー

2014年3月20日更新
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「LEGO(R) ムービー」監督コンビが振り返る製作秘話

LEGOのキャラクターで映画を作る。簡単そうに見えて、これほど難しいことはない。細かな感情表現ができないうえに、そもそも土台となるストーリーが存在しない。子どもだけでなく、大人の鑑賞に耐える作品を生み出すのは不可能に思える。しかし、「くもりときどきミートボール」や「21ジャンプストリート」のフィル・ロードクリストファー・ミラーの監督コンビは果敢に挑む。ありったけの笑いと遊び心を誰でも共感できるストーリーに詰め込まれた「LEGO(R) ムービー」は、2014年の全米No.1の大ヒット映画に。米サンディエゴにあるテーマパーク、レゴランドで監督コンビに苦労を語ってもらった。(取材・文/小西未来)

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――どういう経緯で監督に決まったのですか?

ロード:LEGOの映画化権を持っているプロデューサー2人に会って、僕らのアイデアを提案したんだ。8歳の少年が巨大な地下室で作ったような映画にしましょう、と。あいにく別の監督が採用されたんだけど、そっちが壁にぶつかって、お声がかかったんだ。「僕らも、うまくできるかわかりませんけど」と正直に答えたけど(笑)

――(笑)。

ロード:実際、ずっとうまくいかなくて、サウンドのミキシングの段階で、なんとか話をまとめることができたんだ。

――それって、ごく最近の話ですよね。

ミラー:あらゆる年齢の観客が簡単についていけるストーリーにしなきゃいけないので、調整を重ねていったんだ。4年の歳月をかけてね。

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――特殊技能を持たない等身大の主人公がヒーローになるというストーリーは、誰もが共感できます。

ロード:うん。この映画にはクレイジーな要素があまりにもたくさん詰め込まれている。だから、いわゆるHero’s Journey(ヒーローの旅路)のプロットパターンに従うのが、正しいやりかたに思えたんだ。

ミラー:映画では、みんなになじみのあるレゴの舞台を登場させたかった。都会や宇宙、中世、海賊とね。で、それぞれの世界のキャラクターが登場するわけだけれど、主人公はぜひとも平凡な建築現場の職員にしようと思ったんだ。

ロード:「マトリックス」と同じストーリー構造だけど、違う展開にしたかった。ネオは選ばれし者だ。偉大な存在だ。でも、この映画では選ばれざる者になっている(笑)。

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――ネタバレになるので具体的な言及は避けますが、後半のサプライズにとても感心しました。あの展開のおかげでそれまでのストーリーに納得ができます。

ミラー:ありがとう。実は、それまでにクレイジーな展開がたくさんあって、観客も「どうしてこんなことが起きているんだ?」って疑問に思うかもしれない。かなりリスキーなストーリーになっているけど、諦めなければ、最後に納得できる仕掛けになっている。

――さらにLEGOらしいメッセージも込められています。

ミラー:それが僕らの狙いだ。バケツいっぱいのLEGOをもらったら、想像力をフルに働かせるべきだ。LEGOに関する映画を作るのであれば、クリエイティビティに関する物語にすべきだと思ったんだ。どんなアイデアでも大切にすべきだ。どんなにろくでもないアイデアでも、ね(笑)。

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