「いつの間にか戦争になっていた。」小さいおうち とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

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小さいおうち

劇場公開日 2014年1月25日
全103件中、2件目を表示
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いつの間にか戦争になっていた。

バートンさんの絵本『ちいさなおうち』のように、周りの環境に翻弄された一家の物語。ーとはいえ、バートンさんの絵本があまりにも唐突に出てくるので面食らうがー

タキが引き裂いた恋。
 もし戦争がなかったら?もっと他の展開もあり得たかもしれない。
 自立しているようで、夫に縋らなければ生きていけなかった時子。
 箱庭のような家の中で展開する物語。シルバニアファミリー・リカちゃんハウス等の中で繰り出されるおままごとみたいな話。
 やり直しの利かぬ行為。時子への想い。板倉への想い。平井家への想い。自分にとっての大切な居場所への想い。

戦後の我々からすると納得できないが、実際は小市民の感覚ってあんな感じなんだろう。対岸の火事、戦争回避できるだろうと思っていたら、いつのまにか悲惨な状況になっていた。
その対比が面白い。
今の日本と似ている気がする。経済発展だけ願っていればいいのか?

役者の力がすごく見せてくれる。
 黒木さんがベルリンで賞をお取りになったけど、
 松さん、吉岡さんもすごい。あんな声していらしたっけ?二人とも、いつもの声よりトーンが高いような気がする。言葉の言い回し、抑揚が違う。役柄に合わせて、声の高さやリズム・言い方まで変えて演じている。
 片岡さんもいい。人のいい人情家なんだけど、実利だけを重んじている、情愛とか女心を全く理解できない男をさらっと演じている。たきちゃんの婿選びのセンスに笑った。そりゃあお嬢様が抜けない奥様が、別に目を向けてしまうのわかる。自分の感性に一生懸命耳を傾けてくれて、同じ感性から出てくる言葉を言ってくれる人が側にいてくれるだけで、どれだけ人生が輝きだすか。
 そして、松さん、片岡さんをはじめとして、全ての方の所作が綺麗。それをみているだけでもうっとりしてくる。

たきちゃんの秘密。あの手紙、そしてベッドの上に掲げられていた絵の謎。
 レビューでも、いろいろ憶測が流れており、私もいろいろと想像はするが、
自分にとっての大切な居場所を守ろうとする必死な気持ちは痛いほどわかる。
「奥様の為」「坊ちゃまの為」…滅私奉公の時代「自分の為」という意識はあったのかな?勿論、年を重ねれば、なによりも「自分の為」であったことは自覚してくるが。

原作未読。映画化するにあたって重要なプロットを削っているときく。だから?な部分が残る。
 そもそも宣伝に使われていた”秘密”は鑑賞者にとっては”秘密”ではなく、この映画を鑑賞することでさらに何かもっと大きな”秘密”があるんじゃないかなんて思ってしまう。

消化不全。
砂糖菓子みたいな生活を見るのはよかったけれど、構成を練り直してほしい。

とみいじょん
さん / 2018年6月1日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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