劇場公開日 2013年3月16日

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「普通の人々による惨劇を冷たい質感で描く怖い映画」偽りなき者 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0普通の人々による惨劇を冷たい質感で描く怖い映画

2018年5月19日
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鑑賞方法:映画館

離婚と失業を経た元教師がようやく見つけた仕事先の幼稚園で一人の園児がふと呟いた一言が小さな町の住民達の道徳観を揺さぶって共振し、誰にも止められない暴力となって雨霰と降り注ぐ。

これに似た話はよくあって、実直な人ほど格好の餌食になるし、投げつけられた全ての石つぶてには小汚い字で「善意」と書いてある・・・今日もきっとどこかで起こっている話を突きつけられながら、自分の左手にもまた石つぶてが握られていて、右手で何かを書こうとしているのではないかと身につまされる、冷たすぎる質感のエンディングも効果的で、普通の人間しか出てこないのに背筋が凍る恐ろしい映画になっています。

よね