劇場公開日 2013年4月20日

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「見て良かった」セデック・バレ 第一部 太陽旗 りょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見て良かった

2020年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映像がとても美しいので、見入ってしまった。荘厳な山や太陽や虹。桜。
しかし内容はとても切ない戦いの話。
台湾の住民の暮らしに日本軍がズカズカと入り込んできた様がすごくわかりやすかった。日本軍は文明をもたらしたと思っているが、彼らはそんなこと望んでいなかった。
やがて鬱憤がたまり、彼らは蜂起するが、
日本軍がやられているのを見ると、実はすかっとしてしまう日本人の自分がいる。
いつの間にか感情移入をさせられている。それは何故かと言うと、彼らは別に悪いことをしているわけではなく、当然の行動だったように思えるからだ。
日本軍もまた、当然の行動しており、なぜ人間はここまで戦いしかできないのだろうかと悲しくなってくる。
歌もとても美しかった。ちょっと歌長くてうるさい時もあったけれど。

この、自分たちの誇りに生きた男たちの死に様を最後まで見とどけようと思って次作まで見たけれど、女子供まで死んでいく姿には涙した。
良い作品を見た。
ただ、一部をのぞき、全員が同じような顔に見えてしまって、どっちが敵てどっちが味方かちょっとわかりづらかった。
小島が、奥さん子供に死なれて悲しむ姿が1シーンあれば、もう少し小島の行動が理解できると思う。
あと、俺はもう疲れたと言うモーナ•ルダオに、おいおいそれはないだろうとちょっと思った。放棄したのは自分なんだからけじめもちゃんとつけて欲しかった。
なんにせよ、このような素晴らしい作品は、もっといろいろな賞を取っていてもおかしくないし、話題になってもいい作品だと思う。

りょう