劇場公開日 2014年7月4日

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「前半が良かった」オール・ユー・ニード・イズ・キル KIDO LOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前半が良かった

2020年4月26日
PCから投稿

日本のライトノベルというあまり世界的に日の目を浴びそうにないものがこうして成功したことが嬉しい。ラノベが海外で出版されるなんてことも初めて知った。それで偶然アメリカのプロデューサーの目にとまったそうだ。
このネタは日本では非常に有名な作品があり、実写とアニメと2作もあるので今さら・・・という感じがあるがハリウッドでは珍しかったのだろう。もっと上手く売り込めば日本の作品がたくさんハリウッドで映画化されると思う。脚色が得意なシナリオライターはどんどんやればいいと思う。
この映画のいいところは何と言っても前半だ。特に導入部が非常に見事に決まっている。スケールが大きなことが起こっている中で非常にちっぽけな人間のちっぽけなこだわりだけを描くというコントラストが決まっていた.またトムクルーズの演技が光った。トムクルーズは強くてクールなキャラだけでなくこのようなへっぽこキャラもうまく演じられるのだと知った。本当に腰抜けのボンボンに見えた。 脚本には主人公がどうして頑張らなきゃいけないのかということが書かれていない。こいつは実はすごいやつなんだということも書かれていない。だから導入部のトムクルーズの演技力が非常に重要なのだ。単なるぼんくらなのに後で何かやりそうな気がする・・・そういう雰囲気を醸し出していた。それがフックになって見るものは釣られて作品にのめり込んでしまうのである。さすが!!

また戦闘用のモビルスーツも魅力的だった。こういうものが一つでも入っていると随分と映画というものは面白くなるものである。このモビルスーツは漫画GANTZに出てくるものにそっくりのような気がするのだが、やはりハリウッドは日本の漫画をよくチェックしているのかもしれないな。
作品のネタからして途中から飽きてくるのは仕方がないと思う。最後は何というか単なるドンパチでセオリー通りにまとめてしまった感じすらある。もうちょっと意外な結末が欲しかったような気もする。でも全体にエンターテイメントとして中の上ぐらいのレベになっていてよかった。

タンバラライ