劇場公開日 2013年5月25日

「コメディ風で観やすいながらも」くちづけ 114645さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0コメディ風で観やすいながらも

2017年9月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

楽しい

脚本を手掛けながらも作中の中心人物を演じ、心温まる世界観を作られた宅間孝行に拍手。
宅間孝行演技うま過ぎと言うか自伝なのかな、これはってぐらいのレベル。もう、虜になりました。
作品の9.9割がひまわり荘という知的障害者たちの自立支援のためのグループホームでの撮影。
最初から最後まで同じ雰囲気のひまわり荘に愛しさを覚える。日付が出てくるので時系列が分かりやすい。
役者がどれも浮いてなくて少し癖があって良かった。
この映画で1番伝えたかったことは多分、知的障害者が介護されず犯罪や冤罪で刑務所に入ったり、ホームレスになったりしている現状を世の健常者に知ってもらうということだと思う。そして、その悲惨な事実がある上で考えて欲しいと言うことだと思う。同じ人間として何も思わないということは無いと思う。自分が健康に日常を送っているのは普通では無いということ、何か自分にできることが無いか?など。何か行動するにしても、しないにしても、この映画は心に残り続けるだろう。そして障害を持った人たちを見た時、この映画を思い出し以前より対応が変わるだろう。ただ可哀想だの気持ち悪いだの思うことは無いだろう。
こうした作品が少しずつ差別だの偏見だのを矯正していくのだろう。そのために活動してくれる人たちが増え、世界が変わっていくようにこういう作品は必要だと思う。重いテーマではあったが、コメディ調にし観やすくした堤幸彦監督、宅間孝行に改めて拍手。

114645