劇場公開日 2013年6月8日

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「真面目+不真面目=狂気」箱入り息子の恋 toさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0真面目+不真面目=狂気

2022年3月9日
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ベテラン俳優が脇を固めているため真面目なシーンは締まっている。
いい意味で星野源も夏帆もフラットに見れた。今では二人ともキャラが付いているが、この中では新鮮に見えた。
二役とも難しい役どころだが丁寧に演じている。牛丼を食べて泣くところは何とも言い表せない素晴らしさを感じた。
牛丼を食べて泣いた奈穂子は、健太郎の妄想でないことを祈るばかり。

もっと爽やか、甘酸っぱい、成長を見せる恋愛映画かと思いきや、わりと大事な部分は狂気に見せているのが普通の恋愛映画との差別化をしていて新しい。事故に遭っても、ベランダから落ちてもそれでも彼女に夢中。
映画でよくある不幸を差し込む手段が大抵交通事故ってのが芸がない。これを別の手法で確立すれば、ひとつの武器になるのに。
主人公がメインなんで周りの設定はそれなりでいいが、奈穂子のバックボーンにも触れてもよかったと思う。友達はいるのか?恋愛はしたことあるのか?彼氏はいたことがないのか?学生時代目が見えないことでいじめられなかったのか等。これなら目の見えない美人なお嬢様じゃなくても、外人や別の設定の方がインパクトがあると思う。

親心としては子供は結婚して、幸せな人生を歩んでほしいと願う一方、もし恋愛や結婚したことによる弊害で、実の子が命を落とすようなことがあるのならやっぱり幸せより命が大事という考えもわかる。
35歳の健太郎と26歳の奈穂子。歳の差9歳。世間なら賛否があるが星野源ならそうはならない。世は残酷や。
星野源の耳にほくろがあることを知った。

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