劇場公開日 2013年11月16日

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「長崎に原爆が投下されて70年。丁度8月9日にこの作品を観た。」ペコロスの母に会いに行く kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0長崎に原爆が投下されて70年。丁度8月9日にこの作品を観た。

2018年11月27日
PCから投稿

 岡野雄一は離婚して息子のまさきを連れて長崎の故郷へ。父親(加瀬亮)は10年前に亡くなり、その事実さえも母親みつえ(赤木)は忘れがちなほど。徘徊もきになるし、なんとかしたいと思ってた矢先にケアマネージャーの勧めでグループホームに入所させた。

 みつえの回想シーンと現在の映像が交互に映し出されるのであるが、回想シーンがとても気になる内容だった。戦時中、仲の良かった千恵子と離れ離れになり、彼女は長崎へと引っ越していったのだ。原爆で死んだと思っていたが、彼女は生きていた。つてを頼って夫と探しにいくも、彼女は売春宿の女郎となっていたのだ。それでも手紙を書き続ける光江。売春防止法が成立した後で、彼女が手紙をくれた。しかし、それは千恵子が原爆後遺症で亡くなったあとに同僚が出してくれたものだったのだ・・・

 現在の認知症はほのぼのと笑いを交えて描いてあるが、光江の人生で残っているのは素敵な思い出ばかり。家族や周囲の人たちは苦労するのだが、本人の心の中は本当に幸せなのだと伝わってくる。

 グループホームに入所してきた本田(竹中直人)の母親。彼もまたヅラネタで勝負してくると予感させるのだが、しらじらしくなくてホッとした(笑)

kossy