劇場公開日 1936年10月15日

「最初のカメラワークと最後の山本五十鈴の男どもに対する怒りが印象的」祇園の姉妹(1936) Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最初のカメラワークと最後の山本五十鈴の男どもに対する怒りが印象的

2021年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

オリジナルの間尺は90分超も、現在残っていないとのことで、ショッキング。残存する69分んものを鑑賞。最初のカメラが平行移動していき、お店の全貌と、破産してから値打ち品を競売していることを示す長回しは、やはり印象的。

芸妓姉妹の妹山田五十鈴が地味なほぼ素顔で登場し、終わりの方では日本髪のカツラ及び化粧でプロとしての顔に変身する様は魅せる。姉とは対照的に、男達を手玉に取って上手くやって行くんだとの上昇志向のキャラクター設定は、今見ても魅力的。結局、騙した男に復讐されてしまい、社会、そして男どもへの恨みつらみを吠え、それが自分たち庶民の不公平で理不尽な日本社会への怒りを表している様で、共感から胸を打つ。

Kazu Ann