劇場公開日 2013年11月9日

「男の会議の根回し術」清須会議 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0男の会議の根回し術

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

乗りかかった出世道。ここで後退はありえないと考え、生きるか死ぬかの瀬戸際戦略を構築する羽柴秀吉を、大泉洋が熱演しています。

一方、自分は家老筆頭であり、血筋もあり、お市の方という強力な後ろ楯もある……という自負のみで、ほぼ無戦略で会議に臨んだ柴田勝家(役所広司)の演技ですが、これはかなりマンガ染みていて、監督がもしこの演技を求めたのなら、ちょっと違うかなと思いました。
ただまあ、役所広司なんてこんなもんだと割り切って匙を投げてしまったのかも知れませんが。

さて、柴田の参謀役となった丹羽長秀です。
彼は明智光秀の謀叛の際に、明智討伐にいちばん近い位置にいたにもかかわらず、自分の兵力を計算して、立ち上がろうとしなかった計算高い男なのですが、これを小日向文世が小狡くも熱演しています。

柴田と丹羽の両名から一文字ずつ拝借して作られた苗字が羽柴であるわけで、秀吉が若輩の成り上がり者であることは誰もが認めています。
しかも先輩二名を差し置いて自分こそが出なければならないと決意した時、男の会議の根回し術を、心行くまで堪能することができました。

軍師・黒田官兵衛も出てきます。
これは秀吉の気持ちをナレーションで表現するのではなく、会話によって表現するための映画監督の猿回しの役回りですが、これもなかなか上手く表現できていました。

そういうわけで、主要人物の誰に自分を置き換えても楽しめる、また、じっくりと堪能させられる映画でした。

余談ですが、秀吉が勝家の懐に飛び込むエピソードは本来は石田三成が徳川家康の懐に飛び込んだという史実を借用しているのでしょう。
とはいえ、この話はしょせんフィクションなのだから、許せる範囲かな。

お水汲み当番