劇場公開日 1997年12月6日

「ルチオ・フルチに捧ぐ」肉の蝋人形(1996) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ルチオ・フルチに捧ぐ

2019年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ルチオ・フルチが監督をする予定だった今作品。他界したために、急遽特殊効果担当のセルジオ・スティヴァレッティがメガホンをとることとなった。冒頭では「ルチオ・フルチに捧ぐ」の文字が痛々しく映る。

 プロットでは、人間関係の意外性や目の見えない叔母という小技も冴えていて、単なるホラーではなく、2時間サスペンスの雰囲気さえある。言いかえれば、これはホラーなんかじゃない!ということだ。もちろん、スプラッター要素も隠し味として加え、突如折りこまれるサブリミナル・エッセンスやCG効果もいい感じなのだ。さらに、ラストも秀逸で、思わず唸ってしまうくらいなのだが、何かが足りない。そう、恐怖感が足りないのだ。ルチオ・フルチなら不気味な登場人物と派手なスプラッターに作り上げただろうなぁ~と、ちょっと残念に思う。

kossy