流星(1949)

劇場公開日:

解説

「面影三四郎」の原案者富田常雄の原作から「検事と女看守」の館岡謙之助と「天の夕顔」の阿部豊の共同脚本で、阿部豊が「天の夕顔」以来久方振りにメガフォンをとり、撮影は「大学の門」の山中晋が担当、出演者は「望みなきに非ず」大日方伝、「女の闘い」山村聡、「情熱の人魚」山口淑子、「今日われ恋愛す」の野上千鶴子、「麗人草」若原雅夫らである。なお製作は「春の戯れ」の青柳信雄が担当。

1949年製作/83分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1949年5月3日

ストーリー

大胆極まる集団ギャングはまたも警戒網を突破して倉庫を襲った。藤岡刑事はあわれにも負傷した三島刑事がその時賊の片脚を打ちぬいたという証言をもとにして盛り場にさぐりを入れるが、キャバレー・アールレッドで戸田とナナ子のちょっとした会話から彼女の情夫金田がくさいことを探知する。この戸田や金田こそ警視庁が今や血まなこに探している集団ギャング一味であり、彼等の首かいは松井義夫通称むら雲の鉄という残忍な男であり、彼は自分の情婦愛子をこのキャバレーに歌手として働らかせている。金田は三島刑事のために打抜かれた脚をたてに鉄に多額な金を要求し、かえって鉄らの一味から拳銃の変礼を受けるが、銃声を聞いて附近を巡察中の藤田に追われ金田は息も絶えだに事の真相をばらしてこと切れる。大体の確証を握った藤田は全警察網に鉄の指名手配を行い、捜査網は逐次せばまれていく。一方負傷した三島刑事は看護婦恵美子の親切な手当で全快する。そのころ恵美子は新聞で発表になった藤田や三島が探している鉄こそ自分の兄である事が解り悲しさのあまり目から職を辞してしまう。次第に身の危険が迫まって来た鉄は愛子の常客速水恭輔を驚かし高飛びの準備金を要求する。愛子は冷酷な鉄の肉体的な奴隷生活よりも速水の純な温い愛情がどれだけ尊いかを自覚し愛子は次第に速水に心ひかれていく。そういう事態こそ鉄には嫉妬とたかりの二手段で、彼等に復しゅうし、鉄は彼等を隠れ屋に閉込め速水に愛子の顔に硫酸をかけるといって金をせめ、五十万円の金を受取ると残忍な笑いを浮べ愛子の美しい顔を見ながら硫酸を注ごうとするが、速水の叫びから彼女が鉄の子を妊娠している事を知り、ちょっと逡巡する時、彼等の隠れ屋には早や警官隊が潜入して来た。あわて逃げ惑う鉄のすきを見て愛子は硫酸を顔に投げつけた。焼けただれた顔と手で鉄はなおも逃げ回わり、妹恵美子の忠告もきかずに必死な逃走は、藤田刑事の一発でもろくも終った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る