朱唇いまだ消えず

劇場公開日:

解説

「結婚狂時代」の山口松三郎が製作し「誘惑(1948)」「森の石松(1949)」「お嬢さん乾杯!」の新藤兼人がシナリオを執筆。「四人目の淑女」の渋谷実が監督する。カメラは「シミキンのスポーツ王」の長岡博之が当たる。主演には「夢よもういちど」「結婚三銃士」(新東宝作品)の高杉早苗と「嫉妬(1949)」「娘十八嘘つき時代」の佐分利信である。助演には「君待てども」の杉村春子「不良少女(1949)」の久我美子をはじめ、清水一郎、佐田啓二、三井弘次らが出演する。

1949年製作/76分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1949年4月24日

ストーリー

木島孝子は十七の年に、ひとり娘であったためにせき立てられるように結婚し君子を生んだ。しかし三年後銀行家の夫はあっけなく死んでしまった。十九歳にして未亡人になった孝子は、君子をかかえて世間の苦労というものを考えねばならない現実に直面した。母の富枝は孫の君子を自分が母親のように立ち回ってくれた。戦時中を何んとかきりぬけた孝子は、生活のために勇敢に世間の中に飛び込んで行った。孝子は銀座の酒場で働いたが気持ちはまるで勤め人だった。その真面目な勤めぶりが、マスターの信用を博して今では酒場リラの借りられマダムであった。君子は十八になっていたが女学校から引き続き音楽学校に通っていた。ある夜酒場リラへ現れた客の一人に孝子は、以前隣人でありそして炎かに心の中に抱いた愛人間宮利夫に出会った。彼は現在友人たちと製薬会社を起こし重役の椅子にあって三十八歳の働き盛りである。家には彼の愛妻咲江と恵美子という、幼い子供があった。孝子もそれとなく知ってはいたが、暫くぶりの再会で、お互いに初恋の情が燃え始まった。昔彼等は隣あっていた関係、若き日の夢があり、希望があったが、間宮はやがて外地の商事会社に勤務しなければならなくなって、孝子を後に残したのである。しかし孝子としては彼と一緒に行きたがっていたが、母は許さなかった。そして歳月は流れて今は、間宮と孝子は、しばしばめぐり会う様になってしまった。ちょうどその頃孝子の一人娘君子は、アルバイトをして美術学校に通っている谷川という青年と将来を誓いあっていた。それを知った母の孝子は一時は叱ってはみたが、振り返って見て君子の将来を約束してやってた。そして今までつきあっていた間宮とも会うまいと固い決心をするのである。それは熱海行きの列車の出発する寸前の孝子の強い意志であった。

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