続向う三軒両隣り どんぐり歌合戦

劇場公開日:

解説

ラジオで既に二年越し放送を続けているドラマの映画化、二五年渡邊邦男の監督で製作したものと趣向を変え「あきれた娘たち」「おどろき一家」の斎藤寅次郎監督、脚本は「無頼漢長兵衞」「白雪先生と子供たち」の八住利雄に、北条誠、伊馬春部、北村寿夫の四人が共同執筆、カメラ担当は「男の涙」「おどろき一家」の友成達雄、キャストは柳家金語楼、飯田蝶子の外、野上千鶴子、新人杉山美子に少女ヴギウギ美空ひばりが出る。

1950年製作/78分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1950年4月9日

ストーリー

車屋坂東亀造は何時も威勢がいい。威勢が良すぎて色々と間違いが起きるらしいのである。今日も今日とて引揚者風の若者から風呂敷包をお茶の水迄届けて欲しいと頼まれて、すっかりむくれ、「車ってものは人間様が乗るもんだ!」と行ってしまう。若者はひどく困り切って、亀造の一人娘みどりにムリヤリ包を預けて逃げてしまった。みどりは弱って包を押入に入れてしまった。明る日、近所の新興成金花井夫人のペルシャ猫が風邪だというので亀造を呼んだが、亀造は烈火の如く怒ってしまい書生の牧野をハリ倒し、夫人にも怒鳴りつけて帰ってしまう。一方山田家では、主人の孝助が以前は高等官だったのに今は失職中、にも拘らず妻君のよし子は凄く気位の高い女で、二言目には高等官をふり廻す。だが家の中は火の車、隣近所に借金借物が増えるばかり、それでも昔の体面を傷つけまいとして孝助はナカナカ就職出来ぬ有り様、娘の孝子は経済の苦しさを察して、学校に行く前の時間、ひそかに納豆売りを始めた。娘の納豆売りに孝助は発憤し、サンドイッチマンとして更生の道を見つける。亀造はある日、車をひきずって有楽町に来た時、夕刊売りの健吉と問答している中、すっかり好きになってしまい、次の日にこの孤児を自分の子として連れて来た。お医者の神田先生に健吉の身体を見て貰い、正式に里子にした。楽しい日が過ぎて行った。ある日、亀造はみどりが何日か預かった若者の包を見つけ出しひどく怒り出した。中味を開けてみると、立派な衣類が出てきた。これはてっきり泥棒だと決めてしまった。そしてその次、亀造が健吉を浅草に遊びに連れてきた時、パッタリこの若者と出逢う。「アッ兄さん」思わず飛び出た健吉の言葉、若者はひどく慌てて逃げ出した。二人で追ったが見失ってしまう。その晩、健吉がこっそり亀吉の家を出てしまう。驚いた亀造、みどり、その他の人々の健吉を呼ぶ声ばかりが空しくこだまするばかりだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く