それでも私は行く

劇場公開日:

解説

清水浩美の第一回企画の織田作之助の原作を「街の野獣」「裁かれる愛情」「激怒」の柳川真一が脚色、「朗らか週間 抓って頂戴」「モデルと若様」の高木孝一が監督する。クランクは「モデルと若様」「猿飛佐助忍術千一夜」の竹野治夫が担当。「処女は真珠の如く」「象を喰つた連中」「非常線(1947)」の原保美の他、沢村貞子が久々に出演する。「バラ屋敷の惨劇」「非常線(1947)」「婦人警察官」の月丘夢路、「看護婦の日記」の見明凡太郎「処女は真珠の如く」「女優須磨子の恋」の朝霧鏡子らが助演。

1947年製作/81分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1947年11月23日

ストーリー

京都先斗町のお茶屋桔梗屋の一人息子梶鶴雄は高等学校に行っていたが、自分の置かれた環境や生活がいやで我慢が出来なかった。たった一人の母菊の盲目的なまでの溺愛も今は反って重荷に感じられる。逃げ出したいというのが本心だった。すっかりニヒリスティックになっているのも純情な彼だけに無理もない事だった。桔梗屋の大事なお客様、ヤミ成金の小郷虎吉等という存在が不愉快極る事だ。凡そ下劣無比な男なのだ。最近は昔の仕事仲間三好春吉を陥れ剰えその思い女君勇を横取り、その上桔梗屋の抱えッ妓鈴子までモノにしようとしている。お茶屋という環境に対する険悪の情が小郷に向けられると憤怒の激情にかられる鶴雄であった。しかし鶴雄より先に小郷に対する憎悪の念を復讐によって癒そうとしている人間があった。相馬弓子がそれだ。彼女の父はやはり小郷のために引ずり込まれ、首をくくったのである。復讐だ。苦しませるのだ。弓子は鶴雄の金をスリ取ったことでお互いが知り合った。妙な縁であった。そして二人とも小郷を憎み切っている。ところがここに事件が起った。競馬場の群集の最中で小郷虎吉が殺されたのである。しかし凶器は鶴雄のジャックナイフだ。有無を言わさず鶴雄はひッ立てられた。だが犯人は別にいた。三好春吉だった、この事件が鶴雄の周囲の状況を変えてしまった。鶴雄は学友小田の故郷北海道に母菊と共に行くことになった。駅に見送りに来たのは以前から鶴雄を慕っていた鈴子と何か物思わしげな目をした弓子であった。

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