嵐の講道館

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解説

「運河」の松浦健郎と、石井喜一の脚本を、「南氏大いに惑う」の枝川弘が監督、高橋通夫が撮影した柔道映画。「愛河」の菅原謙二、「口笛を吹く渡り鳥」の若尾文子、「赤線の灯は消えず」の小野道子、ほかに高松英郎・金田一敦子・柴田吾郎らが出演。

1958年製作/89分/日本
原題:The Judo Champ

ストーリー

--明治三十八年、日露戦争は終った。高信介は北九州伊万里の大宰道場へ戦場から帰ってきた。師匠はすでに死んでい、その娘・秋子は信介の弟・良多を恋しているらしかった。信介の許婚者だったのに。良多は柔道をやめ、東京へ行き、学問で身をたてようと思っていた。信介は道場破りに前々から良多へ挑戦していた残馬八郎に立向った。彼は恋をあきらめ、弟を東京に発たせ、そのあとを秋子に追わせたのだ。暁の岬で信介と残馬は秘術を尽した。彼の一本背負が決った。が、残馬の空手が信介の眼をとらえた。二人はもつれあい、崖を落ち、海中へ没した。--五年後、信介の姿が中国から日本へ向う船の上に見られた。彼は漁師に救われ、中国でさる老人のもとで修業を積んできたのだ。が、彼の両眼の視力は薄れていた。信介は船中で五光のお竜が毒蛇に襲われたのを助けた。お竜は東京の彼女の知り合い・髪結いの二階に彼を導く。彼女は実はやくざで、壷振りの名人だが、信介には生け花の師匠と言ってある。惚れた弱身だ。信介はお竜の手下・土手松に連れられ、弟良多にあいに行った。良多は官吏となり、有馬男爵の知遇を得ている。良多は兄に冷たかった。出世のジャマらしいのだ。信介は秋子が芸者になって良多にみついできたことを知る。それなのに、良多は有馬家の娘京子に求婚し、秋子を捨てようとしているのだ。信介は髪結に来た秋子と出会い、話をきいた。お竜は信介がいまだに秋子を忘れていないのをさとった。彼女は信介をドイツ人の医者に見せ、手術させる。その金のため、壷振りを一度だけやることにした。櫓組の賭場では、残馬が用心棒をしていた。彼は片腕になったが、生きていたのだ。良多は秋子に手切金を渡し、京子の結婚承諾を待った。が、京子は良多の恋仇・佐東からすべてを聞いてい、彼をこばんだ。秋子は手切金を手術費の足しにとお竜に渡した。が、彼女は座敷で櫓組の連中が佐東の頼みで良多を襲うことをきくと、思わず信介の病院へ走った。信介の視力が回復した直後のことである。彼は決闘場へ向った。再び残馬と闘う。彼が残馬を海中へ投げすてたとき、衝撃で彼の眼はふたたび見えなくなった。弟がやっと駈けつけた。彼は弟を投げた、心を入れかえろと。弟はさからわず、投げられるままにまかせた。すでに改心していたのだ。秋子が駈けつけ泣きながらとめたとき、信介はやっと手をはなした。涙で抱きあう二人を残して、信介は、西へ向う汽車へ乗った。それには、信介にイレズミを見られるのを恥じたお竜が乗っているはずだ。すでにお竜は恥じる必要はなかった。信介は再び失明したのだから。

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