泣かないで(1959)

劇場公開日:

解説

川内康範の原案から、「月光仮面 悪魔の最後」の織田清司が脚本を書き、「東京ロマンス・ウェイ」の吉村廉が監督した歌謡映画。「素っ裸の年令」の藤岡粂信が撮影した。

1959年製作/46分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年10月21日

ストーリー

喫茶店に働く京子は、常連の男から銀座の町角で女に手紙を渡すように頼まれた。それは半年も続いたが彼女はそれが恋文の取次ぎと思った。また空襲の時に別れた父親に、町角に立っていると会えるかもしれないという気持があった。彼女がその角に立つと物蔭から悲しげに見守っている老人万三の姿があった。京子の父親万三はバーテンをしながら麻薬密売組織の走り使いをやっていた。子供を見つけ出した万三ではあったが、警察に追われる身を恥じて名乗り出る気にはなれないでいた。麻薬ルートを追っている東京日報の池田哲夫は、その組織に関係あると思われる女李梅芳が、町角の京子に近づき白い封筒を受取るのを目撃した。その時哲夫とカメラマンの木村に気がついた一味の見張り辰やサブらが襲いかかり大乱闘となった。その渦中から京子を救い出したのは万三だった。もしかしたらお父さんじゃ?その後姿に幼い時の記憶をたどる京子に哲夫は声をかけた。一味の兄貴株瀬川は、ブンヤに嗅ぎつけられては面倒と“娘を捲き添えにしたくなかったら池田を殺れ”と万三に命じた。京子を問いつめる哲夫だが彼女は何も知らないのだ。二人が帰りかけた時黒い影が哲夫をかすめた。倒れ伏す哲夫。急所をはずれていたが重傷であった。そして京子の輪血が彼の命を救った。二人を結んだ輸血はそのまま愛情に結びついた。哲夫も彼女と共に父親を探そうと誓った。が京子から写真を見せられて顎然となった。自分を刺した男だ、しかし京子にはだまっていた。そんな頃万三は足を洗う決心をしたが事前に瀬川達の知ることとなりリンチを受けた。必死になって抵抗する万三の手にはいつしか拳銃が--。瀬川達を射殺した万三は駈けつけた警官をも倒した。京子のアパートの灯りの前まできた万三は待っていた李梅芳の拳銃に倒された。急を聞いて駈けつけた哲夫に“娘には何も言わないでくれ”と言って死んでいった。後から来た京子に哲夫は“お父さんじゃなかった。明日からまた元気で探そう。何年でも”--夜霧が静かに二人のまわりをつつんでいった。泣かないで……泣かないでとささやくかのように。

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