狂った脱獄

劇場公開日:

解説

藤田敏夫の原作を「東京ロマンス・ウェイ」の共同執筆者・大川久男が脚色し、「雑沓に光る眼」の小杉勇が監督した犯罪ドラマ。撮影も同じく「雑沓に光る眼」の中尾利太郎。

1959年製作/52分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年4月8日

ストーリー

地方の小都市で殺人事件が起った。犯人岩上は、トラックの運転手だが、友人の関根が彼の留守中に新婚の妻トミ子を暴行したと知って、発作的に関根を殺したのである。トミ子も関根から暴行されたことを証言した。--岩上は自首して出たが、それは犯行後、交番で道をきいたとき、善人そうな老巡査、深沢とその娘博子の姿を見て、やっと我にかえったからであった。--留置場で、岩上は油汗を流し、うなりつづけていた。俺は女房の仇をうったんだ。が、仲間の一人が面会にきて告げた。お前の女房、森岡の奴に肩を抱かれるようにして歩いていたぞ。たちまち、岩上の顔は血の気を失ったという。妻の不貞。ありえないことではない。疑惑が彼を包んだ。幻想の中で、妻は森岡に抱かれていた。彼を笑っていた。--何度目かの取調べのとき、捜査主任から関根には強姦事件のアリバイがあったと知らされた。やっぱり、森岡の奴か!野郎、殺してやる!岩上は絶叫した。数時間後、彼はあきらめ、面会にきた深沢巡査に、吐きだすようにいった。きっと絞首刑でしょう。--が、森岡を殺せるかも知れぬ機会がきた。というのは、彼の看房に、やはり刑務所送りの決った宮川という兇悪犯が入れられてき、彼に脱獄を持ちかけてきたのだ。二人は猛烈にケンカし、止めにきた夜警の看守をしばり上げ、鍵束と拳銃を奪った。留置場を抜け出、ぬかるみを走りながら、宮川はいった。お前に自動車の運転をさせようと思って誘ったのだ。俺と一緒に隣県の山奥にあるダムの飯場にもぐりこむんだ!表通りで、タクシーに乗りこんだ。宮川は運転手をなぐり、更に拳銃を射とうとした。岩上はそれを止め、宮川をなぐり倒した。彼はハンドルを握ると、トミ子のアパートへ飛ばした。妻は失神した宮川の姿をみると泣いていった。この男が犯人なのよ! 関根さんが犯人といったのは、あなたの刑が軽くなると思ったからよ。どうせ死んだ人だからと思って……。しがみついて泣く妻の声を聞きながら、岩上は全身から力が抜けて行くのを感じた。

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