春を待つ人々

劇場公開日:

解説

老政治家を中心に、人間は我欲や打算を取り去った時本来の姿に戻るということを描こうとしたドラマで、柳井隆雄・沢村勉のオリジナルシナリオを、「顔役(1958)」の中村登が監督、「彼岸花」の厚田雄春が撮影した。音楽は武満徹。出演者は、佐分利信・有馬稲子・佐田啓二・岡田茉莉子・高橋貞二・高千穂ひづる等々の豪華な顔ぶれ。

1959年製作/99分/日本
劇場公開日:1959年1月9日

ストーリー

老政治家里見は参議院選挙に立候補した。彼には洋画家西脇と結婚した和子、鉄工所長坂口に嫁した正子、雑誌記者谷川と結ばれた章子、それに俊雄の四人の子がある。娘たちは夫を連れてそれぞれ集ってきた。料亭竹水が選挙事務所にあてられた。その女将千代は里見と満州時代から関係があった。里見が当選したら本妻の座になおろうと思っている。坂口なども商売上のルートをつかもうと思って応援する。里見の旧友で政治ゴロになってしまった佐藤も何がしかの金が目当てで訪ねてきた。俊雄は父のすすめる政略的な結婚をきらい、恋人の純子の近所に室を借りた。和子と西脇の夫妻は純子に会い、すっかり気に入り内証で彼女を選挙の事務を手伝わせることにした。佐藤は事務の田中に里見の昔の女リツとの関係をもらした。谷川は田中からその話をきき、それを選挙の相手方に売った。キャバレーの踊子カオルとの手切金に困っていたのだ。それに章子が結婚前、里見の秘書矢島と親しかったのを嫉妬していた。三流紙にリツと里見のことがでかでかと出た。章子はそれが夫のせいと知ると、姿を消した。リツは大阪に往んでいた。父は死んだといわれていただけに、息子の克也はショックを受けた。娘の文子は母を励したのだが。克也は上京し、里見に面会を求めたが、心ならずも里見は冷くあしらった。西脇だけが暖く慰めた。克也はひがみ、同じ職場のかよ子の愛情を他に、ヤケ酒をあおりグレン隊とケンカした。神戸へ帰った西脇はリツ家を訪ねた。リツは里見を少しも恨んでいないと云った。章子は、かつて矢島と行った奥日光にいた。矢島は気づき後を追い、彼女を連れ戻してきた。--里見は落選した。それが、金めあての人々千代坂口らを里見から離れさせた。章子は矢島のすすめで谷川のもとへ帰ることにした。純子も里見に認められ、俊雄との結婚を許された。--里見は西脇たちみんなのすすめで、大阪のリツに会いに行った。みんなを東京へ引き取ることにしたのだ。克也とかよ子も明るくはしゃいでいた。

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