獣のいる街

劇場公開日:

解説

兄弟愛を主軸にしたアクションもので、宮田輝明の脚本を、「血の岸壁」の古川卓巳が監督、「俺らは流しの人気者」の松橋梅夫が撮影した。「完全な遊戯」の葉山良二、梅野泰靖、「果しなき欲望」の渡辺美佐子に、二本柳寛・香月美奈子・芦田伸介らが出演する。

1958年製作/95分/日本
配給:日活
劇場公開日:1958年12月17日

ストーリー

グレン隊の一人・高倉が胸を刺されて死んだ。--そこの飲み屋街の中にコーヒー店を開いている幸吉は、以前はこの界隈で顔を売ったヤクザだ。今はすっかり堅気になっている。彼は、刑務所を出て来た弟・次郎のことが心配だった。次郎にはのぶ子という恋人がいた。結婚を許してもらおうと彼女の家を訪れた次郎に、のぶ子の兄は激しく反対した。それ以来、次郎はこの近辺から姿を消した。--幸吉の昔の兄弟分・圭介は、幸吉を使ってこの横丁の土地を買い占めようとしていた。幸吉は断ったが、圭介はこう言うのだ。「お前の弟は、俺が横須賀で拾って金もうけの手伝いをして貰っているぜ」と。グレン隊のいやがらせは、ますますひどくなった。彼等は、幸吉の恋人・かず枝をだましてホテルへ連れこんだ。飛びかかる圭介、その時二人の前に次郎が立ちふさがった。かず枝はその場を逃げ出すことができた。次郎は圭介から、助けてやるが幸吉に手をひかせるようにと脅された。幸吉は沖の島に呼び出された。次郎は手を引いてくれるよう頼んだが、幸吉は次郎に向った。追いつめられた次郎は、ナイフを幸吉の左腕に刺した。幸吉は叫んだ。「次郎!そのナイフは高倉を刺したナイフだぞ!お前は踊らされているんだ」。次郎は圭介のいる部屋へ駈けこんだ。圭介は屋根づたいに逃げまわった。次郎を追って来た幸吉が下から見守る。二人は折重って落ちた。圭介は動かなくなった。口から血が溢れている次郎を、幸吉は抱きしめた--。

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