坊っちゃん(1958)

劇場公開日:

解説

夏目漱石の同名小説を、「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」の椎名利夫と山内久が脚色、「白い炎」の番匠義彰が監督、「花のうず潮」の生方敏夫が撮影した文芸篇。坊っちゃんには「若い広場」の南原伸二が扮し、マドンナには「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」の有馬稲子、その他、伴淳三郎伊藤雄之助、トニー谷、三井弘次などのベテランが出演。色彩はイーストマン松竹カラー。

1958年製作/93分/日本
劇場公開日:1958年6月15日

ストーリー

塩原昌之助は東京に清婆さんを残して、四国松山の中学へ赴任した。威勢のいい江戸っ子の正義派である。早速、坊っちゃんという仇名がつけられた。中学の教師たちには、たぬき(校長)、赤シャツ(教頭)、やまあらし(堀田)、のだいこ(吉川)、うらなり(古賀)などがいた。これは坊っちゃんがつけた仇名だ。赤シャツはのだいこを従えて、たぬきを味方にし、やまあらしをけむたがっている。小町娘、通称マドンナに惚れこみ、たぬきを言いくるめ、その許婚者うらなりを左遷させようとする。宿直騒動などもあったが、坊ちゃんはやまあらしと意気投合した。赤シャツは坊ちゃんにやまあらしの悪口をふきこんだ。イナゴ事件は陰で彼が糸を引いているというのだ。坊ちゃんはやまあらしと喧嘩した。しかし、下宿のおかみから、うらなり左遷事件の真相をきき、仲なおりした。やまあらしはうらなりのために、赤シャツの不当をなじったので、憎まれたのだ。マドンナは月給の多い赤シャツになびいたという。うらなりの送別会が開かれた。やまあらしは赤シャツに皮肉を言う。坊ちゃんはのだいこをなぐる。次の日曜日、赤シャツは坊ちゃんを自宅に呼び、月給を上げようと言った。彼はやまあらしをやめさせようとしている。祭の日、師範対中学の学生剣道試合が開かれ、やまあらしの部長の中学側が負けた。そのことで、双方が河原で喧嘩を始めた。やまあらしと坊ちゃんは止めに入ったが、喧嘩にまきこまれてしまった。それが新聞に出た。二人が学生をそそのかしたと。記者と親しい赤シャツが書かしたらしい。彼は県視学の命令とやまあらしに辞表提出を求めた。やまあらしは生徒をかばうため、やめることにした。坊ちゃんも一緒にやめるといって聞かない。二人は赤シャツをこらしめようと、彼の芸者遊びの現場を押えるため、旅館でひそかに張りこんだ。何日目かの夜、赤シャツのなじみ芸者つばめの姿が見えた。とうとうである。二人は翌朝、旅館から出て来た赤シャツとのだいこを、町はずれで押えた。玉子をぶつけ、散散になぐる。辞表を彼らの額にペタリとはると、二人は悠々とそこを去り、船に乗って四国を離れた。東京で清やが坊ちゃんを待っていることだろう。

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