峠(1957)

劇場公開日:

解説

北海道新聞、中部日本新聞、西日本新聞三紙に連載された大佛次郎の同名小説の映画化で、父娘の愛情を描いた文芸作。「哀愁の園」の青山民雄が脚色、「白い夏」のコンビ、斎藤武市が監督藤岡粂信が撮影した。主演は「素足の娘」の南田洋子、二谷英明、「美徳のよろめき」の葉山良二、「青春の冒険」の小園蓉子、「誘惑(1957)」の安井昌二、「危険な年齢」の宇野重吉、それに二本柳寛、渡辺美佐子、中原早苗、近藤宏、清水将夫など。

1957年製作/97分/日本
原題:Mountain Pass
配給:日活
劇場公開日:1957年11月5日

ストーリー

大内月子は元外交官で今は幾つかの会社の顧問をしている門野礼介とその妾富子との間に生れた娘である。勝気な彼女は富子が支配する門野家の空気を嫌い、自活の道を求めて新劇研究生から映画界に入った。月子は大スター佐田春美の相手役として仕事を始めた。月子の評判に春美の気嫌は悪かった。そんな或る日、以来ホテルで顔見知りとなった雑誌記者大助が取材にやって来た。大助は健全な俳優としての成長を月子と語り合った。やがて人気稼業の不安を感じるようになった月子は、礼介の友人で製薬会社の社長の脇順三と結婚することにした。豪華な応接間で今の世は金だと語る順三に魅力を感じたからであった。秋深い京都への新婚旅行。或る晩二人は茶屋に遊んだが、月子は仕事で京都に来ている春美をこの席に招待した。しかし月子は春美の順三に対する媚態を見せつけられ不穏な胸騒ぎを感じた。暫くして、かつて順三に熱をあげた女給マユミから、睦じい順三と春美の写真を見せつけられた月子は、それを春美につきつけて罵倒した。そんな後では、月子は大助と会い大助との語らいに安住の地を求めるのだった。その夜彼女は父の友人で大助とも顔馴染の見山の許を訪れ、そこから我が家へ電話したが富子は月子の訴えに耳を貸そうともしなかった。そんな富子に「今後あの子のことは私だけに任せて貰おう」と礼介がきっぱりと告げるのだった。翌日、見山、大助、礼介、月子の四人は野猿峠へ鳥料理を食べに出かけた。礼介は見山の前で自らの微力を悔いて涙を流した。秋深き峠の峰々には清涼の気が流れ、大助一人が浩然の気を楽しんでいた。

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