体の中を風が吹く

劇場公開日:

解説

“朝日新間”に連載された佐多稲子の同名小説の映画化。「この二人に幸あれ」の松山善三が脚色、「涙」の川頭義郎が監督した。撮影は「お勝手の花嫁」の荒野諒一。主演は「女の肌」の淡島千景、「東京暮色」の有馬稲子、山本和子、「大江戸風雲絵巻 天の眼」の田村高廣「近くて遠きは」の野添ひとみ。ほかに片山明彦、中川姿子、山内明、日守新一、新人の里見孝二など。

1957年製作/105分/日本
劇場公開日:1957年5月14日

ストーリー

村松章子は別れた夫立田との間に子供が二人あったが、彼女より年下の正木省吾と強く愛し合っていた。ところが、省吾に縁談が持上り、彼女は彼との関係をはっきりするよう、自らに迫られた。自分の過去を考えると、彼にいつまでもまつわりついていてはいけないと考えるものの、彼女は省吾を諦め切れなかった。彼の縁談は上役の吉田課長の紹介なので、彼も無下に断われず、彼は相手の岡本笹子と何度か会った。笹子の両親もこの縁談に乗気だった。ある日、雑誌社に勤めている章子が人形展へ取材に行くと、笹子と一緒の省吾に逢った。彼女の心は激しく動揺した。しかも、その頃、何度も立田が子供を引取りたいと言って来たが、彼女は厳しく申出を却けた。そんなある夜、独りで酒を飲み、酷く酔って帰った彼女は、寝ている子供たちの傍に突伏して切ない胸を涙で洗うのであった。暫くたった日もう会えないと思っていた彼女のところへ省吾が訪れた。彼女は笹子との話を打切ろうと決意したのだ。矢張り彼も章子への愛は断ち切れなかったのだ。彼は彼女のことを笹子に率直に打明け、話を打切った。快く二人を祝ったものの笹子の眼は何故か寂し気であった。そこへ、突然省吾は八戸へ転勤を命じられた。だが、このことも二人を裂くことは出来なかった。子供たちを同居している親戚のふみえに頼んだ彼女は、彼と一緒に八戸へ向った。彼の落着先を彼女も見とどけておきたかったのだ。車中、彼の肩に頬を寄せた彼女は、「あたし……もうしっかりあなたに掴まっているわ」とポツンと言った。その顔は幸福に甘く酔っていた。

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