刃傷未遂

劇場公開日:

解説

浅野内匠頭の松の廊下での刃傷事件の一年前、勅使饗応を拝任した青年大名が強欲の吉良上野介をやっつけるという明朗時代劇の一篇。林不忘の原作をもとに「いとはん物語」の伊藤大輔が脚本をかき、「銭形平次捕物控 まだら蛇」の加戸敏が監督する。撮影は「信号は赤だ」の牧田行正。主な出演者は「鼠小僧忍び込み控 子の刻参上」の長谷川一夫、「顔(1957)」の岡田茉莉子、「大阪物語」の勝新太郎、ほかに黒川弥太郎、三田登喜子、柳永二郎など。

1957年製作/91分/日本
劇場公開日:1957年5月13日

ストーリー

泉州岸和田の藩主岡部美濃守の弟辰馬は武家生活を嫌い、町方に居候して音曲の師匠をやる若様やくざ。道楽三昧のある日、彼の許へ屋敷から急使がくる。兄美濃守が勅使饗応の役を仰せつかり、奥方の阿具利が心配の余り辰馬に相談をもちかけたのだった。岡部藩では恒例に従い早速高家筆頭の吉良上野介に莫大な贈物を届けたが、剛直な美濃守はただの扇一本の挨拶で済ます。心配した阿具利から当日の接待法を掘り出してくれと頼まれた辰馬は骨董屋宗加を使って前年の饗応役を勤めた大名の屋敷から詳細な記録を借り出させ、これを写して岡部邸へもちこんでいた。城内で上野介は美濃守に向い役儀について難題をふっかけるが美濃守にはてんで通じない。辰馬は更に、彼に思いを寄せる純情な湯女の糸重を身受けしこれを納得させて吉良邸に女間者として送りこもうとする。かねて言いよっていた吉良家用人の左右田になびくと見せて糸重はうまく湯殿女中に住みこみ、危い芝居をうちながらも情報を集めては宗加を通じて辰馬に送った。やがて当日、上野介は盛んにいやがらせをするが美濃守は適当にあしらい逆に上野介をじらし、勅使到着と同時に正座につく。糸重からの情報で全てに通じていたおかげである。そして正親町中納言ほか公卿衆の居並ぶ雁の間で美濃守は「力業などお目にかけて御座興までに」といきなり上野介を引掴んで池の中に投げこむ。万座で恥をかかされた上野介は抜討ちに斬りつけたが梶川与惣兵衛に抱きとめられて果さず、彼の悪業をよからず思っていた者は一度に溜飲をさげた。一方辰馬と糸重が結ばれたことはいうまでもない。

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