編笠権八

劇場公開日:

解説

第二回東宝歌舞伎において長谷川一夫、中村扇雀がミュージカル形式で演じた川口松太郎の原作になる舞台劇の映画化。脚色は「漫才提灯」の松村正温、監督は「不知火奉行」の三隅研次、撮影は「霧の音」の相板操一の担当。主な出演者は「あばれ鳶」の市川雷蔵、近藤美恵子、「月形半平太(1956)」の三田登喜子、「逢いぞめ笠」の角製枝子、ほかに千葉登四男、藤間大輔、細川俊夫、夏目俊二など。

1956年製作/65分/日本
配給:大映
劇場公開日:1956年12月28日

ストーリー

青年剣士志賀原権八郎は仕官を好まず、剣の修業のみに生きる男。ふとしたことから岡山藩池田家の指南役神道十兵衛を斬り若党城介や、その妹お浪の止めるのも聞かず上方へ旅立つ。一方、池田家お国表では遺児千草、露路の姉妹が、殿の許しを得て仇討ちの旅に江戸へ向う。また藩士菊池や秋田、山室、湯浅らは己れらの理不尽が師十兵衛を死に至らしめたことは棚に上げ、遺恨を晴らすべく権八郎を追う。その中には、先に権八郎の剣で不覚をとった剣士小郡典膳の姿もあった。江戸に残された城介とお浪も、やがて権八郎に追いつき助勢を申し出る。かくて夫々の一行は、琵琶湖に近い彦根の町へと近づく。馴れぬ長旅に足を痛めた露路。山の湯の旅篭で一人、休養することになるが道中師仙太と勘蔵の二人にカラまれ困惑。危い処を通り掛った権八郎に救われ、仇とも知らず娘心を燃やし始める。翌日、自らの部屋に彼を招じた露路は仇を討たねばならぬ境遇を明す。何も知らぬ権八郎は霧路に剣の修業を始めるが彼の胸にも露路への愛が芽生えてゆく。楽しい数日の後に、千草と落合った菊池達が宿に着く。別れの挨拶に訪れた露路の口から、仇の名を聞いた権八郎は驚き、且つ悄然とする。翌朝、千草と霧路は菊池等と共に、権八郎が京へ行くとの情報で東海道を上る。意を決して後を追う権八郎。大津で、かねて想いをかける露路に言い寄った菊池は、彼女の構えた懐剣の手を仇権八郎の秘太刀と見る。千々に心の乱れた露路は、笛の音にひかれて、湖畔の松原にたたずむ権八郎の方へ歩み寄り、泣き崩れる。そこへ駈けつける千草ら一行。権八郎は露路に「私を討つのはそなただけ、東山の法泉院へ必ず訪ねて来い」と言いすて、湖畔に沿い去る。自害を計った露路を止めたことから一部始終を知った千草は愕然。仔細を知った菊池は、露路の名で権八郎に、偽の呼出状を届ける。指定の南禅寺に赴いた権八郎を囲む千草ら一行。遅れて駈けつけた露路に斬りかかる菊池、だが彼の理不尽を憤る秋田に邪魔される。権八郎は典膳や菊池を倒し、約束通り露路に討たれようとするが彼女は泣伏すばかり。城介の言葉で真相を知った千草は、二人を峯打ちにし、死んだと思って末永くと発たせてやった。

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