ボロ靴交響楽

劇場公開日:

解説

虚飾の生活に生きる青年がバタ屋の世界に迷いこみ、そこで図らずも真珠のような人の真心にふれ本然の姿に立ちかえる姿をボロと真珠に対照させて描いた菊田一夫の原作から「森繁よ何処へ行く」の新井一が脚色、「現金の寝ごと」の西村元男が監督した。撮影は「極楽大一座 アチャラカ大当り」の栗林実。主な出演者は「道道(1956)の木村功、「疾風!鞍馬天狗」の松島とも子、「鬼の居ぬ間」の小畑やすし、「大学の剣豪 京洛の暴れん坊」の宮城まり子、「屋根裏の女たち」の藤原釜足、「権三と助十 かごや太平記」の初音礼子、その他左卜全、加藤春哉など。

1956年製作/44分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年8月15日

ストーリー

バタ屋彦さんと女房たきの娘マリ子は、両親の仕事を手伝いながらも歌声を忘れない明るい少女だった。マリ子の妹とも子は同じバタ屋集落に住む保夫と仲良し。靴磨きのお金を貯め、とも子はオルゴール、保夫はモーター付きのヨットを買うのが夢である。ところが、小判掘りの春ちゃん、自称“即興詩人”である通称樽の小父さんなど、面白い住人で満ちたこの平和な都落に、ある日、悪事を働いた坂西という若い男が逃げこんで来た。彼は人の好い彦さんの世話で、隣りのボロ家に住むようになる。坂西に興味を抱いたマリ子は、彼が小田倉喜八郎という金持の次男と聞き、本気にしてしまった。ある日、車を曳いて商売に出た彦さん夫婦は、とある家の表札に“小田倉喜八郎”とあるのを見て驚き、マリ子にそのことを話す。マリ子は、いつしか坂西に心を惹かれて行くようになる。一方、坂西の方も、身なりはきたなくても心は清い集落の人達に強く心を打たれていた。だが或る日坂西の処へ、かつての情婦はるみが姿を現わし、ピストルを突きつけて分け前をよこせと要求する。今は心境の変った坂西は、はるみに有金全部を渡し、過去を清算して集落の人と共に働こうと決心した。ところが、その夜はるみの密告で刑事達が踏み込んで来た。総てを知ったマリ子に坂西は「とも子ちゃんにオルゴール、保夫君にヨットを買ってやってくれ」と財布を預け、抵抗もせず刑事に曳かれて行った。坂西の後を追おうとするマリ子は樽の小父さんに止められ、集落の住民も皆淋しそうに彼を見送った。今朝も又、マリ子一家は歌のりズムに乗って快活に車を曳いて行く。

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