月夜の阿呆鳥

劇場公開日:

解説

松竹新喜劇の渋谷天外が館直志のペン・ネームで書き下した涙と笑いの人情喜劇を「お化け駕篭」の民門敏雄が脚色、「忍術武者修業」の安田公義が監督した。撮影は「浅太郎鴉」の武田千吉郎。主な出演者は、「お父さんはお人好し 迷い子拾い子」の堺駿二、山茶花究、「喧嘩鴛鴦」の阿井美千子、春風すみれ「金語楼の兵隊さん」の横山エンタツなど。

1956年製作/54分/日本
劇場公開日:1956年6月8日

ストーリー

大阪も場末の料亭千鳥の主人福造は敗戦とともにシベリヤから帰還した。彼を迎えた妻おしまや父幸七の眼はうるみ勝ちだが福造を何より喜ばせたのは息子金一の成長ぶりであった。金一を抱いて親子の愛情に浸る福造だが、その金一が実の子でないとは夢にも知らなかった。おしまは娘の頃初恋の相手滝沢医師に裏切られ、妊娠の身を父幸七の計いで、小さい時から店で育てられた福造と一緒にさせられ、間もなく生れたのが金一であった。それを知るのは幸七と仲居のおよねだけ、福造は金一を実の子と信じて疑わなかった。一年たって千鳥亭も借家ながら昔日の華やかさを取戻したが、ある日、おしまの許に突然、滝沢の妹葉子が現れ、兄の危篤を告げおしま母子に会いたがっていると伝えた。愕然としたおしまは、福造に知れぬよう独り出かけようとしたが、夫に済まぬ気持から行くのを止めた。数日後、滝沢の死が続いてもたらされ、しかも遺言として二百万円が金一に贈られると伝えて来た。だが金のことから福造に金一のことがバレるのを恐れたおしまは、受取るのを拒んだ。しかし家主の都合から千鳥亭を立退くか買取るかの瀬戸際でもあり金は是非とも必要で、およねの才覚で宝籤に当ったことにして福造の手前を繕い滝沢病院に向った。およねの夫徳松は酒を飲めば口が軽くなる性質で、おしまの留守に二百万円のことから金一のことまで全部福造に喋ってしまった。十年もの間騙されたと知った福造は烈火の如く怒り、金を受取って帰って来たおしまに食ってかかり、家を出て行こうとした。だが、そこへ飛出した金一の泣いて止める強い力に思わず福造も涙を流し、「こいつはやっぱり、わしの子だ」と力強く金一を抱きしめた。

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