花嫁のため息

劇場公開日:

解説

「娘の縁談」の木村恵吾が脚本と監督を兼ね、「ブルーバ」の共同撮影者の一人、高橋通夫が撮影を担当した。主なる出演者は「七人の兄いもうと」の根上淳、若尾文子、船橋英二、市川和子、「生きものの記録」の藤原釜足、「浅草の鬼」の伏見和子、「市川馬五郎一座顛末記 浮草日記」の東野英治郎など。

1956年製作/53分/日本
劇場公開日:1956年1月9日

ストーリー

六畳と四畳半だけの船山家では今しも敬太の結婚式というので、世話好きな隣家の女房おらくが先に立ち、近所のおかみさん連中や高校生お美代ちゃんまでが応援に駈けつけての大騒動だ。やがて式も終り、やっと二人きりになった悦びに新郎の敬太が花嫁芳子の手をとったとき、表戸を叩いたのは久しく音信不通の悪友大山である。のっそり上り込んだ察しの悪い大山に、敬太は新婚初夜ともいえず、やきもきするばかり。生憎の雨漏りに三人は一つ部屋に寝ることになるが、早くも高いびきの大山を横目で睨みながら、敬太と芳子はまんじりともせずに初夜をすごした。翌日、大山はおらくに油をしぼられて、すごすごと帰って行った。その夕方、芳子は心づくしの手料理をならべ、いそいそと差しむかいになったが、又もやガラリと玄関が開いた。敬太の大恩人河村太平が村の衆をつれて、豊年祝いの東京見物に上京したのである。「ええ嫁コじゃ」と太平は大満悦だが、敬太は茫然とし、芳子はベソをかいた。あくる朝、会社に出勤した敬太は芳子のことが気がかりで仕事も手につかず、飛ぶように帰ってみれば、太平たちは呑めや歌えやの真最中だった。台所にうなだれている芳子の手をとって、敬太は街に出た。温泉マークの宿に入ろうとする敬太の手をふり切って、芳子は実家へ逃げ帰るが、折からの俄か雨にふと雨漏りを想い出して駈け戻ると、敬太が腑に落ちない面持で雨の漏らない天井を見上げていた。太平たちが置き土産に修理したのである。初めて二人きりになれたうれしさに敬太と芳子が抱き合うと、夫婦茶碗がほおえみかけるのだった。

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