花ひらく(1955)

劇場公開日:

解説

朝日新聞連載の伊藤整の小説を瓜生忠夫、魚住大二、「うちのおばあちゃん」の柳沢類寿の三人が共同脚色し「赤い自転車」の藤原杉雄が監督、撮影は仲沢半次郎が担当した。主なる出演者は、「月は上りぬ」の佐野周二、「振袖剣法」の山田五十鈴、「「春情鳩の街」より 渡り鳥いつ帰る」の桂木洋子、「由起子」の野添ひとみ、「旗本退屈男 謎の伏魔殿」の若山セツ子、「遠い雲」の佐田啓二など。

1955年製作/100分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1955年9月13日

ストーリー

木村玄といえば有名な劇作家で、先生はいま秋の文京座公演のため“あほう鳥”を執筆中である。勿論先生のこの作品に対する熱の入れ方は大変なものだが、その割に筆の方が遅遅として進まない。先生はその責任は京子夫人のヒステリーにあるというので家の中は口喧嘩が絶えない。ある日、演劇青年の谷村や水野が来訪する。先生はそれをしおに一寸一杯と町に出かけた。その夜いささか酩酊して帰宅すると、京子夫人の叱言が連発式に出るので、先生、カッとしてしまって暴力行為に出てしまう。そして翌朝先生は何処へともなく消えた。心配する京子夫人をよそに一人娘のハルミは案外涼しい顔をしている。先生の家出は一躍ジャーナリズムの脚光を浴びる。この時を狙うかのように京子夫人に想いをよせる独身の文京座演出部の大木は舞台への復帰を促がす。ハルミも心配になって来たので学友の水野を誘い谷村のところへ相談に押しかける。さて先生は彼の崇拝者下田歯科医宅で当分居候をきめこみ、力作の執筆に余念がない。“芸術月刊”の宮森記者は先生の利用価値を認め、社の編集方針を変えても戯曲を載せるといい出した。文京座の若き研究生藤木ゆきは偶然下田歯科医の隣に住んでいることから先生に近づく。先生も満更悪い気持もしないばかりか若返えりの必要に迫られ総入歯にホルモン剤で見まちがうようになる。帰宅するにも大木と京子夫人の問題が心配だし誘われるままゆきと熱海で一泊する。やがて努力の結晶“あほう鳥”は華々しく文京座の舞台にのった。大盛況の初日、客席で先生は京子夫人に会うが美しさに驚いた。京子夫人の方も先生を見直してしまう。そして二人はこの新しい感動のめぐり合いをいつまでも大事にしようと約束するのだった。

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