少年死刑囚

劇場公開日:

解説

中山義秀の原作を「次郎長遊侠伝 天城鴉」の八木保太郎が構成、「狂宴」の片岡薫が新人佐治乾と共同で脚色、「初恋カナリヤ娘」の吉村廉が監督に当る。撮影は「青春怪談(1955 市川崑)」の峰重義、音楽は「月は上りぬ」の斎藤高順の担当である。主なる出演者は「うちのおばあちゃん」の牧真介、「「春情鳩の街」より 渡り鳥いつ帰る」の田中絹代のほか、木室郁子、左卜全、菅井一郎、多々良純など。

1955年製作/104分/日本
原題:Sentenced to Death
配給:日活
劇場公開日:1955年7月3日

ストーリー

祖父母と叔父夫妻を殺害した満十八歳の垂井浩は、第一審に於て死刑と判決され、第二審は控訴中であり、目下コンクリートの高塀に囲まれた東京拘置所に入れられていた。彼は舎房の中でも暴れ廻り、又検察庁での検事の論告に対してもわめいて反抗したりした。斯くして確定通知まで一〇三号の舎房に投げこまれ、同じ運命を持つ仲間念仏、角さん、チョビ博士、ボンなどの顔も覚えたが、その仲間も一人二人と消えて行くのである。ある日、浩に母親の里子が面会に来たが、彼はすげなく帰してしまった。浩は毎日何ものかに対する反抗で、すべてに反発を示したが、反面耐え切れぬ空虚を感じていたのだ。終戦時の混乱の頃の自分。義父梅吉の冷たさ、祖父母に対する叔父夫婦のあまりの仕打ちに憤慨した夜の兇行。死にたがっていた祖父母に対するあの行為。今更ながら悪夢のように胸が苦しい。浩は思わず自殺を計ったが未遂に終った。ある日、幼馴染のいく子からも手紙がとどき、彼の過去の行為をいさめてきた。やがて浩の死刑確定通知も伝達された。母の里子やいく子との最後の面会も笑顔ですませた。愈々死刑執行の日、仲間とも別れ、花を抱いて刑場へ向う浩の口もとには微笑が浮かんでいた。がその時、急に彼の恩赦の報が伝わった。それを知った浩は、殺してくれ、と叫び、且つ号泣し、だまされたと云って絶叫しつづけるのであった。

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