母の名は

解説

平林丸夫の製作になる新興映画。田口登志雄の脚本を往年の松竹監督近藤勝彦が監督している。出演者は「唐人お吉」の朝霧鏡子、「妻恋黒田節」の宗方規子などである。

1954年製作/日本

ストーリー

冬の日ざしもうららかな午後。母親加代はルミ子にせがまれて動物園を散策したり、似顔絵屋に描いて貰ったりして行楽の一日を過すが、帰途五年前妹のふじ枝に妊娠させたまま行方不明になっていた与太者村岡にルミ子を奪われた。村岡はルミ子をふじ枝の子供だと思ってしたのであるが、実はルミ子は加代の兄が富豪の夫人秋子から托されたのを恩師の招きに応じフランスへ行くべく、再度二人の姉妹に托した子供だった。一方、夫に死に別れた秋子はほくろを頼りに我が子を探し求めていた。隅然の機会で知り合った似顔絵描きの章三は、秋子の旅館で昼間描いたルミ子の面彰を描いて見せる。果して秋子の求めていた子供だった。丁度その頃同じ旅館に、呼び寄せられたふじ枝とルミ子が村岡に監禁されていた。隙を窺って逃げだしたルミ子を背負い、逃げ出したふじ枝はばったり秋子と章三に会った。秋子とルミ子の涙の対面に感動した加代は、将来の為にとルミ子を秋子に返した。しかしルミ子は再び帰って来た。どうしても加代の許に帰るというルミ子の為に、秋子はルミを諦めて北海道へ帰る。加代はルミ子を連れて上野へ急ぐが、発車には間に合わなかった。加代はルミ子に青森行の列車の通る陸橋の上からお母さんと呼んであげてと言い聞かせた。轟々たる列車の響の中へルミ子は精一杯の声でお母さんと叫んだ。

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