ママの日記

劇場公開日:

解説

水木洋子、龍野敏のラジオ東京連続放送劇を「にごりえ」の井手俊郎が脚色、「魅せられたる魂」の春原政久が監督した。撮影は「忍術罷り通る」の秋野友宏、音楽は「恋文(1953)」の斎藤一郎。主役木暮実千代と岡田茉莉子はラジオと同じキャスト、これに「女心はひと筋に」の佐野周二、「次郎長三国志 第七部 初祝い清水港」の小泉博、新劇畑から田島義文、楠田薫、松井博子、菅井きん(以上俳優座)、南美江(文学座)、蔵方茂、兵頭ますみ(以上劇団若草)などが参加する。

1954年製作/104分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年1月27日

ストーリー

夫妻に子供二人、それと夫の姪マリ子の五人世帯の切盛りだけでも大へんなのに、突然遠縁だという平太郎青年を夫が連込み、当分の間おいてやれという。道代夫人はひそかに音をあげた。さすがに見かねてか、夫が雇ってくれた女中の名はテル、田舎出の天真爛漫な娘だけれども、それだけに万事手をとって教込まねばならない。やはり忙しいのである。するうちに夫が月給袋を落してくる、という不祥事だ。酔ったからさ、とわりに平然たるご本人にくらべ、道代夫人の胸はもう一杯、口も利けない。毛糸編みの内職など始めてみたが、ものにならず、女の力なんてこんなものだろうかと情なさが加わるばかりだった。俄か雨で駅に夫を迎えに出るついで、近所の大野さんの傘ももっていってあげたことが、意外に夫の不快を買い、そのいざこざがはね返っては大野夫人の嫉妬沙汰に及び、いやな日が続いた。家が面白くないせいか夫が会社の若い女の人と交際している、と聞込んできたマリ子が、大いに闘うべきだと激励する。そんなマリ子の上にも一事件がおきた。土屋という青年から強引にプロポーズされ少からず心も動いたのだけれども、平素は口喧嘩ばかりしている平太郎を思い浮べて断ったのである。たまたま夫が九州に出張したあと、その胸のポケットにあったメモから、会社の若い女と同行の出張とわかって、夫人は鋭く胸を衝かれた。マリ子の提案で、土屋青年ともども一寸した気晴らしに外出をしたのがいけなかった。思いがけなくその夜帰宅した夫との間に言いあいが募り、大喧嘩となった。気がつくと、テルは子供達二人をつれて田舎の生家に避難している。彼らを迎えに田舎へ出かける車中で、夫人は初恋の人、田島夫妻と出会った。幸福そうな様子がすこし妬ましい。しかし子供らと一緒に田舎から立戻った夫人に、今は夫の眼もやさしかった。喧嘩、そして和解。--夫婦とはこんなものなのだろう、と思いながら、道代夫人はふっと幸福をかんじた。

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